ミャオ族の伝統衣装「百鳥衣」 中国貴州省

ミャオ族の伝統衣装「百鳥衣」 中国貴州省

 【新華社貴陽5月2日】中国国家級無形文化遺産の刺しゅう「苗繍」で作られるミャオ族伝統の民族衣装「百鳥衣」は、鮮やかな色彩と独特のデザインを特徴とするミャオ族文化の重要な担い手で、第2次貴州省無形文化遺産保護リストに登録されている。

 同省黔東南(けんとうなん)ミャオ族トン族自治州榕江県塔石郷宰勇村の百鳥衣は、はっきりした色彩と素朴なデザインで、ミャオ族の人々の精巧な刺しゅう技術と独特の美意識を表している。

 百鳥衣の制作工程は非常に複雑で、長袖の刺しゅう服は背、肩、袖口、前後の身頃など十数枚のパーツで構成される。平刺しゅうを主体とし、裾には真っ白な羽毛を装飾する。1着の制作には、カイコを育てるところから完成まで1年以上が必要で、困難な制作過程は、ミャオ族の人々の伝統的な手工芸へのこだわりを反映している。

 百鳥衣は単なる手工芸品ではなく、ミャオ族のトーテム文化の継承でもある。祖先が残したトーテム文化は、ミャオ族の女性によって代々受け継がれてきた。こうした無形文化遺産の手工芸品は現在、ミャオ族の人々が収入を増やし豊かになる重要な手段となっている。(記者/劉勤兵)

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