大田原で「臥竜のフジ」見頃 100年前から自生、穏やかな風に揺れる

見頃を迎えた「臥竜のフジ」

 【大田原】竜が横たわっているような幹や枝ぶりから「臥竜(がりゅう)のフジ」と名付けられた蜂巣のヤマフジが見頃を迎え、藤棚一面に広がる紫色の花が訪れた人の目を楽しませている。

 フジは約100年前からため池横に自生しているとされる古木で、幹の周囲は約2.2メートル、樹高約3メートル。フジのある共有地の管理者や地元住民らが協力して整備し、現在は約400平方メートルに広がっている。2020年には「おおたわら令和の名木選」に選定された。

 晴天に恵まれた29日は市内外から見物人が訪れ、穏やかな風に揺られるフジに見入り、写真撮影を楽しんでいた。那須烏山市熊田、会社員笹川秀城(ささかわひでき)さん(48)は趣味のロードバイクに乗って訪問。「色も香りも良くて見事ですね」と感心していた。

 管理メンバー代表の益子俊二(ましこしゅんじ)さん(76)は「周辺でこれだけのフジが見られるのはここだけ。甲辰(きのえたつ)の年に咲いた臥竜のフジを楽しんで」と話している。

 県道東小屋黒羽線にある「しのはら玉藻の里」ののぼり旗や看板が目印。見頃は6日ごろまで。

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