江ヶ崎町 防災冊子を8年ぶり改訂 ペット防災など新項目も 横浜市鶴見区

改訂した冊子を紹介する黒川会長

江ヶ崎町内会(黒川治宣会長)がこのほど、独自に作成する地域防災の冊子「江ヶ崎の防災」を8年ぶりに改訂した。防災情報だけでなく地域特性なども網羅していて、住民の地域理解促進も目的としている。

同地域では「災害が発生しても困らない町」を目指し、まち歩き等で見つけた課題などをまとめた防災冊子を2009年に初めて製作。町内会加入全世帯に配布した。

16年には風水害の際に注意すべき水はけが悪い場所を示した地図や初期避難場所の一覧などを掲載した改訂版を作成。そして、今回は前回の改訂から8年が経ち、その間に新たな大型マンションが建つなど400世帯以上が増えたことなどもあり、今年2月に「江ヶ崎・あいねっと推進協議会」を開いて、改訂内容を協議してきた。

同冊子はA4サイズ25ページの全面カラー。風水害や地震への備えに関する情報、緊急時の連絡先などのほか、江ヶ崎のまちの特性や過去の台風で鶴見川が氾濫して同地域にも床上浸水の被害が出た歴史などが紹介されている。

今回の改訂で新たに加えられたのは、「ペットの防災対策」。自宅での防災対策や、ペット用備蓄品の用意などが呼びかけられている。黒川会長は「町内会の防災訓練では、『ペットも大切な家族』として同行避難も行っている。熊本地震でも避難所でのペットの問題があったので、日ごろから考えてもらうために追加した」と語る。

また、まちの特性として地番別の標高を記載して水害などへのイメージを強化したほか、横浜市の資料も活用して風水害や地震への備えに関する情報も更新。また、乳幼児や要介護者のいる家庭などで必要な備蓄の確認リストなども記載され、「常備薬など、家族しか分からないことも多い。共助では難しい部分を自助で準備してほしい」と呼び掛けている。

作成した冊子は、5月末ごろから同町内会加入の全世帯に配布予定。黒川会長は「新しく江ヶ崎に移り住んだ方にもまちのことを知ってもらいたい。普段から目につく場所に置いて、冊子の内容を活用していただきたい」と話している。

3冊目となった冊子

© 株式会社タウンニュース社