猫のイタズラ防止にも効果的な『霧吹き』!猫に効く3つの理由と上手に実践するためのコツ

1.猫は濡れるのが苦手だから

猫は、体が水で濡れることを苦手とする動物です。多くの動物は水浴びをしますが、猫の祖先といわれているリビアヤマネコには水浴びの習慣がありません。

たとえば、犬は水遊びを好みますよね。犬が水浴びをする理由は、熱中症対策や汚れの除去やストレス軽減などです。しかし、猫の毛は犬のように脂分が多くなく水もはじきにくく、毛が濡れやすく乾きにくい特徴をもつため、猫は犬のように水浴びを好むわけではありません。

そして猫は被毛で体温調節をするため、濡れたまま過ごすと体温が奪われてしまい、命にかかわることもあるのです。

猫が水に濡れることを嫌がる理由はこのように本能レベルのことなので、猫の苦手とする「霧吹き」をイタズラ防止に使うとことは、猫の動きを抑制する意味で効果があるといえます。

2.飼い主が「黒幕」であることを悟られにくいから

「霧吹き」を使うと、人間が直接猫を触ったり大声で怒鳴ったりする必要がありません。少し離れたところから「シュッ」と吹きかけることもできるため、猫が「人間(飼い主さん)に嫌なことをされている」と思う確率を減らせるのです。

猫にとって体を濡らされる「霧吹き」は嫌いなものなので、確かに「しつけ」の役には立ちますが、それが「飼い主さんの仕業」であることを悟られてしまうのはNGです。しつけをすることで飼い主さんが愛猫から嫌われてしまうのでは、しつけの趣旨が変わってしまうからです。

また一度失った愛猫からの信頼は、なかなか簡単には取り戻せません。そのため、せっかくこれまで構築してきた信頼関係に亀裂が入ってしまわないように、上手に「黒幕」のまま霧吹きを使いこなす必要があります。

3.「コレをする=嫌なことがある」と学習するから

「猫は犬ほど賢くない」などと言われることがありますが、猫は学習能力がないわけではけっしてありません。

猫の知能を人間に例えると「2~3歳の幼児レベル」といわれていますが、「生きること」や「興味のあること」というような本能を刺激する事柄に関しては学習できる動物です。トレーニング次第では「お手」や「おかわり」などの芸を覚える猫もいるほどなのです。

だからこそ、猫に「霧吹き」で水をかけることで、イタズラ防止のしつけをすることができます。

「ここに行くとミストが降ってくる」「ここに乗ると急に濡らされる」など、同じ場所で嫌な体験を繰り返することによって、猫は学習します。霧吹きでしつけをされた後は、嫌な体験をした場所を避けるようになります。

霧吹きは手軽に使えて、中身も水なので猫の体にも心配なし。コストパフォーマンスもタイムパフォーマンスも優れていることから、活用しやすいアイテムといえそうです。

霧吹きを使うときのコツ

猫に霧吹きを使うときは、猫の死角から噴霧することが重要です。

理由は先述したように、水をかけているのが飼い主であることを知られてはならないからです。そのため、霧吹きを猫の顔に吹きかける行為も当然禁止です。

霧吹きを使う際のおすすめのタイミングは、「現行犯」がポイントです。

たとえば、食卓の上に乗る習慣をやめさせたいとします。猫がその場所に乗っているときや乗った瞬間に、猫の見えないところから「シュッ」と霧吹きで水をかけるのです。

猫の記憶力は短期記憶がメインなので、時間が経ってから叱ってもなぜ叱られているのかを理解することができません。イタズラ等の叱るべき事態を目にしたら、その場で実行してしつけるのが重要です。

まとめ

猫をしつけるときは、猫の「嬉しいこと」「嫌なこと」がポイントとなります。

猫は、「これをすると嬉しいことがある」「ここに行くと嫌なことが起きる」という心理で行動するので、霧吹きを上手に活用してくださいね。上手に進めることで、猫に近づいて欲しくない場所の近くに霧吹きを置いておくだけで、猫が近づくなることもありますよ。

また、たまに霧吹きの水に慣れてしまう猫もいます。そのような場合は、市販の「イタズラ防止スプレー」「しつけスプレー」もお試しを。しつけスプレーは猫の体に安全でかつ猫の苦手な香りが使われているものです。

なお、いくら自宅に常備しているからといって、住居用の消臭剤や衣類のミストなどを猫にかけてはいけません。猫が健康を害するおそれがあるので、絶対にやめてくださいね。

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