【アイン敷地内薬局めぐる裁判】酒井・新山両被告ともに控訴

【2024.05.02配信】KKR札幌医療センターの敷地内薬局の整備を巡り、公契約関係競売入札妨害の罪に問われたアインファーマシーズ元代表取締役社長・酒井雅人被告、同社元取締役・新山典義被告が二人とも控訴したことが分かった。(ジャーナリスト・村上 和巳)

KKR札幌医療センターの敷地内薬局の整備を巡り、公契約関係競売入札妨害の罪に問われ、4月18日に札幌地裁で執行猶予付きの有罪判決が言い渡された3被告のうち、アインファーマシーズ元代表取締役社長・酒井雅人被告と同社元取締役・新山典義被告が、判決を不服として札幌高裁に控訴したことが明らかになった。両被告の弁護人による控訴は5月1日付。

札幌地裁で開かれた一審では、両被告の弁護人が逮捕・起訴の原因となったKKR札幌医療センターの敷地内薬局整備での優先交渉権獲得をめぐる公募型プロポーザルは随意契約の一種であり、刑法や会計法などで規定する入札にはそもそも該当しないとして無罪を主張。さらに酒井被告の弁護人は、同被告について「故意・共謀性の立証が不十分」との争点も展開していた。しかし、一審ではこれらの主張を退け、両被告ともに懲役6カ月・執行猶予2年(ともに求刑懲役10カ月)を言い渡していた。

なお、この事件を巡り両被告とともに起訴されたKKR札幌医療センターの元事務部長・藤井浩之被告に対しては懲役1年・執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決が言い渡されたが、期限までに控訴がなかったことから一審判決が確定した。

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