ターゲットはアウトドア愛好者 資源の有効活用と森林保全目指し規格外の木炭をブランド化して販売する木材会社の挑戦 【SDGs】

岩手県内のSDGsの取り組みを紹介しています。久慈市の木材会社が、規格外の木炭をブランド化して4月に販売を開始しました。資源の有効活用と森林保全を目指した取り組みです。

久慈市枝成沢にある木炭の製造所。県の伝統的な産業でもある製炭業に2021年から取り組むのが畑光木材です。高い技術を誇る岩手の「炭焼き」と高品質の木炭を後世に伝えようと専務の畑田公明さん(34)が企画しました。

(畑光木材 畑田 公明 専務)
「少し小ぶりのものはGIとしてこればかり入れるわけにはいかないので、集めてTANTANの中に入れている」

ナラで作る木炭は、国が地域の特産品を保護する制度、GI=地理的表示に登録される「県産木炭」として販売する許可を受けています。炭素の密度やサイズ、形といった厳しい基準を満たさずGIの規格から外れた木炭を畑光木材は「TANTAN-KUJI SHORT CHARCOAL」と名付け、ブランド化して4月に販売を始めました。ターゲットとするのはアウトドアの愛好者たちです。

(畑光木材 畑田 貫一 窯長)
「1回で使い切れることがTANTANの目的です。家でBBQをしようとするとちょうどいい量」

規格外の木炭はこれまで、売れ残って廃棄されることもあったといいます。それをブランド化して販売することで資源の有効活用につなげています。

パッケージのデザインと販売で協力する「manordaいわて」によりますと、発売からわずか1か月ほどにもかかわらずTANTANはすでに多くの反響を呼んでいるといいます。

(manordaいわて 地域商社事業部 本間 麻衣 さん)
「今まで炭に興味のなかったお客様からおしゃれなパッケージで興味を持ってもらったり、女性の方から購入していただいたりとかとてもいい反応がありました」

畑光木材は、森の恵みでもある木炭を余すことなく活用することが森林資源の再生につながると考えています。

(畑光木材 畑田 公明 専務)
「炭だったり薪だったりとかまずわれわれで活用して有効に使うことで廃棄も減ってくれば自然が元に戻りやすいのではないか」

今後は通信販売も含め商品の取り扱い店舗を増やして販路の拡大を図ることにしています。

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