群馬サファリパークが45周年 一時は園の運営存続が危ぶまれる状況に

群馬サファリパーク

1979年5月1日に誕生

野生の王国・群馬サファリパークが今年で45年を迎えた。現在も来園者数は、コロナ前の水準に戻っていないことが分かった。

2024年5月1日は45回目の誕生日。群馬サファリパークは1979年(昭和54年)5月1日、東日本初(国内では5番目)の本格的サファリパークとして誕生した。

その後、群馬県教育委員会指定の博物館相当施設として、延べ約2000万人を迎えながら、野生動物の生態系の保全、環境教育の場の提供に尽くし、地元諸団体との連携も強化しながら運営してきた。

地域連携の代表的な例としては、1982年(昭和57年)から「群馬サファリ富岡マラソン大会(富岡市主催)」の特別協賛を行ってきた。

これまで野生動物の生態系の保全としては、アフリカゾウの繁殖や絶滅が危惧されるオオカミの繁殖と展示を目的とした「オオカミの森・オオカミ繁殖センター」の設置、口蹄疫により絶滅の危機に瀕する状況であったアフリカ水牛の南アフリカへの無償供与といった、さまざまな活動を行ってきた。

その活動の結果として、所属する公益社団法人日本動物園水族館協会から6回の繁殖賞を受賞している。環境教育の場としては、ナイトサファリや夕暮れサファリ、ふれあいパーク、エサやり体験、獣舎見学といった、一般の動物園とは異なる体験価値の提供を行い、昨年度(2023年度)は、318組約2万人の学校・幼稚園団体が来園した。

また、1988年(昭和63年)には、公益財団法人佐藤交通遺児福祉基金(前橋市)に寄附をするために群馬県を訪れた世界的大スターのマイケル・ジャクソンが来園している。

一方、2020年からのコロナ禍においては、開園以来の危機に直面し、園の運営存続が危ぶまれる状況となった。現在も来園者数は、コロナ前の水準に戻っていない。

結果として、飼育動物を生育に適した環境を維持することが困難になりつつあるが、コロナ以降、2度にわたりクラウドファンディングを実施した。

具体的には、マレーバク舎の新設(先月、可愛い赤ちゃんが誕生)や飼育施設の補修・改修、動物たちの餌の確保に活用している。今後については、身体の不自由なお客様もエサやり体験をお楽しみいただけるリフト付きバスの導入を予定している。ENCOUNT編集部

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