逮捕の実行役2人「報酬受け取った」 夫婦が暴行受けたとみられる空き家には血痕洗った跡 那須2遺体焼損事件

2人の焼損遺体が見つかった遺棄現場。すぐそばに花が手向けられていた=4月23日、那須町伊王野

 那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、死体損壊の疑いで逮捕された住所、職業不詳、韓国籍の男(20)と住所、職業不詳の男(20)の両容疑者が「指示を受けて遺体を処理した後、数百万円の報酬を受け取った」などと供述していることが2日、捜査関係者への取材で分かった。一方、夫婦が暴行を受けたとみられる都内の空き家のガレージで、洗剤を使って血痕を洗い落とそうとした形跡も見つかっており、県警と警視庁の合同捜査本部は、容疑者らが証拠隠滅を図った可能性もあるとみて慎重に調べを進める。

 実行役とされる両容疑者は、仲介役とされる埼玉県越谷市、建設業の男(25)=死体損壊容疑で逮捕=から遺体の処理を頼まれたとされる。捜査関係者によると、実行役とされる2人は報酬を建設業の男から受け取ったという。

 また、防犯カメラの映像などから、実行役とされる両容疑者が事件後に大阪府内のホテルに宿泊していたことも判明した。一緒に行動していたとみられる。その後、韓国籍の男は神奈川県大和市内、もう1人の男は千葉市内でそれぞれ4月30日に身柄を確保され、1日に逮捕された。

 2人は4月15日夜、東京・品川区内のコンビニで建設業の男と接触して建設業の男名義の車を借り、16日午前0時過ぎに空き家で夫婦と接触した疑いがある。その後、夫婦を乗せて那須町へ向かったとみられる一方、本県に土地勘はなく、「人けのない所に向かった」などと供述している。

 また、指示役とみられる住所、職業不詳の男(28)=同容疑で逮捕=は4月16日午前3時半ごろ、都内の居酒屋で建設業の男と合流。約5分間滞在し、その後一緒に店を出た姿が防犯カメラで確認されている。同28日に沖縄県内の空港で身柄を確保された際、現金数百万円を持っていたことも分かった。

 捜査本部は2日、実行役とされる両容疑者を東京地検へ送検した。

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