フレイル予防に体操を 能登地震被災者に座布団寄贈へ 福島県いわき市の指導士会、6月現地訪問

体操を指導する藤原会長(中央)

 福島県いわき市シルバーリハビリ体操指導士会は6月5日から7日までの3日間、石川県の七尾市と珠洲市、能登町を訪れ、能登半島地震の被災者にリハビリ体操にも使える座布団を寄付する。いわき市内で寝具店を営む江尻健二さん(72)が作った座布団485枚を届け、避難所や仮設住宅などの生活で活用してもらう。

 指導士会には約200人の会員が所属し、高齢者の虚弱(フレイル)予防に効果がある体操を指導している。地震発生後に指導士会として支援方法を考えていた際に、会員と交流のある江尻さんが「被災者にくつろいでほしい」と座布団の提供を申し出た。

 東日本大震災や2019(令和元)年の台風19号発生時も避難所で活動した。慣れない避難生活で運動不足になり、健康状態を悪化させる避難者もいる。座布団の寄付に合わせて開かれる意見交換会には、指導士会の会員ら8人が参加し、珠洲市や能登町などで活動する現地の指導士会の会員に福島での経験や教訓を伝えるとともに、石川県内の取り組みを学ぶ。

 藤原善子会長は「東日本大震災と福島第1原発事故で同じ思いをした福島県民として、被災地の力になりたい」と意気込んでいる。

被災者に寄付する座布団を作った江尻さん

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