大綱が地面に落ちる場面では空気が噴出 没入感が楽しめる与那原大綱曳VR 360度3Dシアターがお披露目

 沖縄三大綱引きの一つで450年以上の歴史がある「与那原大綱曳(ひき)」を360度の3D映像と仮想現実(VR)で楽しめるシアターが4月18日、沖縄県与那原町役場隣の与那原大綱曳資料館(愛称・つなかん)でメディア関係者らにお披露目された。専用のサングラスをかけて視聴する。カナチ棒が入った瞬間に大綱が地面に落ちる場面では、シアター内のエアーコンプレッサーから空気が出る。シアターは開館中、誰でも無料で利用できる。(南部報道部・平島夏実)

 シアターは直径約5.3メートル。車いすでも入れる。町によると、円筒形の3Dシアターは沖縄電力具志川火力発電所の電気科学館(うるま市)に次いで県内2カ所目。

 3Dで体感できるのは、東(あがり)と西(いり)がそれぞれ綱を会場に運ぶ「道ジュネー」の様子(約6分)、会場入りする様子(約2分)、カナチ棒が入る瞬間と本番の様子(約4分半)の3種類。

 ほかに2D映像として、大綱の上に立つ「支度(したく)」の目線で見る道ジュネーが東西それぞれ約7~8分ある。映像はいずれも昨年8月の大綱曳で撮影した。人が入れない綱の下側から捉えたアングルもある。

 お披露目式で照屋勉町長は「町の『大綱曳のまち宣言』にあるように、幾多の困難を経て引き継いできた綱を町内外に発信していく」とあいさつした。

 映像を視聴した町民からは「○○さんずっと映ってる。主演男優賞だな」「自分は西(の綱武士(ちなむし))だから、東の道ジュネーを見るの初めてかも」などと興奮気味に感想が上がっていた。

 シアター本体の購入額は約1950万円で、一括交付金を充てた。 与那原大綱曳資料館の開館時間は午前9時半から午後4時半で入場無料。火曜と祝日は休館。問い合わせは同館、電話098(945)0611。

専用のサングラスをかけて道ジュネーの映像に見入る関係者=4月18日、与那原町・与那原大綱曳資料館
3Dシアターをお披露目する与那原町イメージキャラクター「つなひきか」ちゃん

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