憲法見直し議論、優先事項は「9条」よりも「国会や選挙制度」 裏金事件が影響か 南日本新聞社・意識調査

「憲法見直しで優先すべき事柄」についての意識調査結果をグラフで見る

 南日本新聞社の意識調査では、憲法改正が「必要」「どちらかといえば必要」と答えた人が昨年に続き6割を超えた。見直しの議論で優先すべき事柄は「国会や選挙制度」が28.1%で最も多く、戦争放棄と戦力不保持を定めた「憲法9条」21.6%を上回った。衆院3補選の自民党全敗につながった派閥の政治資金パーティー裏金事件が影響した可能性がある。

 見直し議論で優先すべき事柄について、憲法改正が「必要」と答えた人では「憲法9条」が40.4%と最も多かった。「どちらかといえば必要」「どちらかといえば必要ない」「必要ない」では、いずれも「国会や選挙制度」とした人が最も多かった。

 男性は「憲法9条」27.6%、「国会や選挙制度」27.3%と拮抗(きっこう)。女性は「憲法9条」12.6%、「国会や選挙制度」30.1%と差がついた。支持政党別では、自民党(25.5%)で「憲法9条」を選んだ人が多く、立憲民主党(16.1%)や「支持政党はない」(31.2%)では「国会や選挙制度」を選んだ人が多かった。

 改憲が必要という立場や自民党支持層で、憲法9条を議論のポイントと考える傾向がうかがえる。全体で見ると、9条を変えることに賛成の回答は50.7%、反対は41.1%で、昨年とほぼ変わらなかった。

 ▽調査の方法=鹿児島県内の18歳以上を対象に4月20、21の両日、固定電話と携帯電話に、コンピューターで無作為に発生させた番号をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。自動音声応答通話(オートコール)方式を採用。携帯電話で同意した人にはショートメッセージサービス(SMS)を使い質問に答えてもらった。1029人の回答を得た。性別の内訳は男性626人、女性365人、答えない38人。

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