NHKドラマ「ケの日のケケケ」が大反響! 生きづらさ・違和感を抱えて過ごす感覚過敏の世界

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食べ物のにおいや食感に苦手なものがある。服のタグが気になる。蛍光灯の光が眩しい。あるいは、暑さや寒さを感じにくい。空腹を忘れる。いつの間にか身体にアザが……。

今、このような感覚の特性について、不登校などにつながる「生きづらさ」の原因――感覚過敏(あるいは、その逆の感覚鈍麻)――として、多くの人が興味をもちはじめています。

そんな感覚過敏の当事者で、感覚過敏研究所の所長である加藤路瑛さんが、監修を務めたNHKドラマ「ケの日のケケケ」。2024年3月に放送されたばかりの本作は、第47回創作テレビドラマ大賞も受賞するほど大きな反響を呼びました。令和時代の新たな青春物語とも称された、ドラマ「ケの日のケケケ」ですが、本日5月3日(金・祝)15:05から49分の特別版として再放送されます!

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ここでは、放送前におさらいしておきたい、感覚の困りごとを、ストーリー仕立てで“追体験”できる書籍『カビンくんとドンマちゃん 感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方』(著:加藤路瑛)より一部を抜粋してご紹介。

感覚過敏&感覚鈍麻の世界を覗いていきましょう。

登場人物は「過敏」「鈍麻」を持つ、この2人!

騒がしい音、高い声、食べ物のニオイなどが苦手な「カビンくん」と、寒さや暑さ、空腹などを感じにくい「ドンマちゃん」。ただの繊細くん、ただの天然ちゃん――一見そんなふうに感じるこの2人ですが、それぞれ代表的な「感覚過敏」「感覚鈍麻」の特性をあわせもつキャラクターなんです。

制服はまるで「サンドペーパー」のよう?

まずは、カビンくんの、毎朝の“格闘”の様子から、覗いてみましょう……。

本書は、児童精神科医・黒川駿哉先生が監修を務められています。そんな、黒川先生による、「感覚過敏/感覚鈍麻」についての解説が、こちらになります。

「暑さや寒さ、空腹も感じない」って、変?

さて、次に「不思議ちゃん」「天然」などと言われ、じつは見逃されやすい「感覚鈍麻」を持った「ドンマちゃん」の悩みを見ていきましょう……。

こちらが、黒川先生による「感覚鈍麻」についての解説となります。

「カビンくん」のエピソードに対する解説に「感覚は一人ひとり違う。けれど、社会は平均的な感覚の人に最適化する形で作られている。だから、そこに当てはまらない人もいる」とありましたね。つまり「なるべく多くの人が適応できるように、だいぶ大ざっぱに作られている」世界で、私たちは生活している、というわけです。当然、感覚に特性のある人は、それらに“合わせる”ことに苦労することでしょう。

「ずっとサングラスをしているなんて、失礼だな!」と思う人は視覚障害や特性があって外せないのかもしれません。「ヘッドフォンをしながら人の話を聞くなんて!」と思う人も、もしかすると聴覚過敏のため、ノイズキャンセリング機能のあるヘッドフォンんが外せないのかもしれません……。

『カビンくんとドンマちゃん 感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方』は、自分の、そして家族の「違和感」や「生きづらさ」の正体に迫るのみならず、“一人ひとりが感じている世界は多様なのだ”と、特性のあるなしに関わらず、この世界を優しい眼差しで見るきっかけとなる1冊です。

**「目に見えず触れることもできない、私の感覚、あなたの感覚、みんなの感覚。

どの感覚も個性的で多様で大切にしたい存在です」(感覚過敏研究所・加藤路瑛)**

イラスト/中村至宏

\好評発売中!/
カビンくんとドンマちゃん 感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方
著:加藤 路瑛
監修:黒川駿哉

加藤 路瑛(かとう じえい)

2006年生まれ。株式会社クリスタルロード代表取締役社長。感覚過敏研究所所長。聴覚・嗅覚・味覚・触覚の感覚過敏があり、小学生時代は給食で食べられるものがなく、中学生になると教室の騒がしさに悩まされ中学2年生から不登校。その後、通信制高校へ進学。子どもが挑戦しやすい社会を目指して12歳で親子起業。子どもの起業支援事業を経て13歳で「感覚過敏研究所」を設立。感覚過敏の啓発、対策商品の企画・生産・販売、感覚過敏の研究に力を注ぐ。
感覚過敏研究所HP
X(旧Twitter) @crystalroad2006

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