世界的なバイオリニスト・石川綾子 「超絶技巧」の演奏で魅了 “地元”長崎初のソロ公演

活水中・高吹奏楽部と共演するなど、軽快な演奏で観客を魅了した石川=長崎市、ベネックス長崎ブリックホール

 世界的なバイオリニスト、石川綾子(39)の“地元”長崎市での初のソロコンサートが4月29日、ベネックス長崎ブリックホールで開かれた。名器ストラディバリウスを操る石川は“超絶技巧”の迫力あふれる演奏で大勢の観客を魅了した。
 石川は東京生まれ。バイオリン歴36年。シドニー音楽院在学中から世界各国で公演を行い、近年は交流サイト(SNS)の演奏動画が人気。2022年に親族の住む長崎市に拠点を移し、同市の「ながさき国際観光大使」などを務めている。
 今回は「石川綾子ジャンルレスヴァイオリンコンサート2024『架け橋』長崎公演」として、クラシック、Jポップ、タンゴ、アニメ、ボカロ(ボーカロイド)などジャンルを問わず、耳なじみのあるヒット曲やオリジナルの新曲も織り交ぜた。
 石川は「国や時代やジャンルを超えて音楽が架け橋となり、人と人がつながり、音楽の輪が広がるような、そんな温かい世界がつくれたらいいな」とあいさつ。今公演に向けて石川が作曲した「架け橋」は活水中・高吹奏楽部の生徒53人と共演した。
 石川が速弾きを披露するなどアップテンポの曲が多く、観客は“ノリノリ”。曲に合わせて手拍子したり、ペンライトを振ったり、タオル回しも。アンコールでは「もってこーい、もってこい」のかけ声も会場に響いた。
 公演後、石川は「皆さまがとても心温かく、熱く、盛り上げ上手で、優しさに感動した。会場が一つとなり、すてきなコンサートをつくり上げてくださり、胸がいっぱい。長崎、最高です!」と感想を述べた。

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