【F1】ストロールの無礼にリカルド怒り いまだ連絡なく「悪いことをしたと思っていない」

怒りが収まらないリカルド(ロイター)

F1中国グランプリ(GP)で凡ミス事故を起こしながら逆ギレして物議を醸したアストンマーティンの〝ドラ息子〟ランス・ストロール(25)に対して、被害者にあたるRBのダニエル・リカルド(34)が再び怒りをあらわにした。

中国GPの決勝でストロールは、セーフティーカーが入って隊列が組まれていた27周目に、コーナー手前で前方不注意でブレーキが遅れ、前にいたダニエル・リカルド(RB)に激突。リカルドのマシンは底面部分に深刻なダメージを与えられリタイアを強いられた。

さらにストロールは、自身の凡ミスにもかかわらず事故直後に無線で「このアホが急ブレーキをかけやがった」とリカルドに逆ギレ。10秒ペナルティーの裁定にも「信じられない、まるでジョークだな」と暴言を連発して物議を醸した。

レース後には普段温厚なリカルドが「あの男はク○だ」などとストロールの不遜な態度に激高して波紋を呼んだが、今週末のマイアミGPを前に取材に応じたリカルドはいまだ怒りが収まっていない様子だ。

米放送局「FOX」オーストラリア版は、この件に関するリカルドのコメントを報道。ストロールから謝罪の連絡があったのか問われると「ノーだ」ときっぱり。そしてリカルドはこう続けた。「なんでもいいんだよ、たとえば『僕が悪かった』とだけメールしてきてくれたら、謝罪を受け入れることができる。僕はそんなに嫌なヤツじゃない。でも、それすらないということは、彼は明らかに自分が悪いことをしたと思っていない」と事故や暴言騒動を起こしておきながらストロール側から一切連絡がなく〝スルー〟されている現状を怒りを交えて明かした。

そして「だから、もう何も言うことはない」とバッサリ。ストロールの無礼な態度に怒りを通り越して、あきれ果てている。

かねて父ローレンス氏の威光から〝ドラ息子〟とやゆされるストロール。自らのミスが原因となって大騒動を起こしておきながら全く謝罪もないというのは、アスリートである以前に社会人としての常識が疑われそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社