楽しさと「戻りたくない」気持ちが同居する久常涼のルーキーイヤー

1アンダーの暫定95位スタートの久常涼(Tim Heitman/Getty Images)

◇米国男子◇ザ・CJカップ バイロン・ネルソン 初日(2日)◇TPCクレイグランチ(テキサス州)◇7414yd(パー71)

今週だと、ともにメジャー含めツアー13勝のジョーダン・スピース、ジェイソン・デイら名だたる選手がいるフィールドだけに、ゴルフをする楽しさに変わりはない。しかし、4月「マスターズ」で予選落ちして日本に戻った久常涼が「正直、あんまりこっち(米国)には戻りたくなかった」というのも、偽らざる本音だろう。

ツアールーキーとして臨む今季、最初のメジャー後の3週間は自宅がある岡山で家族と過ごした。「ちょっとゆっくりしたい」と練習時間を減らしてリフレッシュに充て、現地入りしたのは月曜日の夜。開幕2日前の火曜日は蝉川泰果と「6ホールぐらい」を一緒に回って交流しながら準備を進めた。

打ち込んでこなかった分「ちょっと不安はあった」。そんな気がかりが表に出たように、出だし3ホールで2ボギーとつまずいた。それでも、前半を1アンダーでターンし、後半は37ydのアプローチショットをベタピンにつけた14番でバーディを奪った。

スタートを1時間遅らせるほどの雨が早朝に降ったため地面は柔らかかった。最終18番のパー5。フェアウェイから打った2打目は「結構飛ばしちゃって。一番水が溜まる場所にまで行っちゃった」。3打目はグリーン手前の花道からのアプローチでミスし、グリーンに届かず「ジャッジを含めて防げたミスが多かったと思う。その辺に少し悔いが残る」。4オン2パットのボギー締めに声のトーンを下げた。

4バーディ、3ボギーの「70」で回り、1アンダーの暫定95位発進。週末のプレーに黄信号が灯るが、「あしたしっかり伸ばして、とりあえず予選通過できるように頑張りたい」。午後2時1分に10番からティオフする2日目に思いを寄せた。(テキサス州ダラス/石井操)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン