女子ゴルフ元世界1位も唸った日本の21歳 佐久間朱莉が「最近覚えた」高等テクで上位キープ

佐久間朱莉【写真:Getty Images】

ワールドレディスサロンパス杯第2日

女子ゴルフの国内ツアーメジャー大会・ワールドレディスサロンパス杯は3日、茨城GC東C(6665ヤード、パー72)で第2日が行われた。首位で出た佐久間朱莉(大東建託)は3バーディー、3ボギーの72で回って通算5アンダー。暫定首位でホールアウトした。前日よりも硬く速くなったグリーン対策で、ハイフェードのボールを意識して打っていた。最近、マスターした高等技術。今季2度の優勝争いを演じてきた21歳が、新技も生かして悲願のツアー初優勝とメジャー制覇を掴みにいく。

佐久間のテクニックは、元世界ランク1位の申ジエを唸らせていた。

「一緒に回った佐久間さんの高いフェードでボールを止める技を見て、自分もやってみたいと思いました。すごいです」

その言葉を伝え聞いた佐久間は「最近、自分で何となくやって覚えました」と笑顔で話し、打ち方と狙いを説明した。

「ハンドレイト(手首をクラブヘッドの後ろにする)で打っています。これまではそれを使わなくてもボールがグリーンで止まったので使っていませんでしたが、今週は使わないと止まらないので、今朝の練習でも10球ほど打って感覚をつかんでいました」

硬いグリーンでボールを止めるには、カット気味に球をとらえるフェードが有効になる。そして、弾道を高くすればさらに効果が出る。佐久間はその技を今季メジャー初戦で使うために調整していた。

「今週は1日(1ラウンドで)3、4回はやっています。8番(パー4)では(第2打で)それを使いました。右の木がせり出していましたが、『高い球のフェードを打って風に当てたら止まるかな』と思ったら、ボールがピンの2メートルぐらいについてバーディーを獲れました。(第2打で)使ったクラブは5番ユーティリティーです」

佐久間は2021年6月に行われた最終プロテストにトップ合格。ショットメーカーぶりには定評があったが、人知れず新たな技をマスターしていた。今季は出場9試合中4度のトップ10入り。4月は富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで最終日首位スタートながら2位。前週のパナソニックオープンレディースでも最終日を首位で迎えたが、競り負けてしまった。

「1日も早くリベンジしたいです。今週は毎日、赤字(アンダー)で回ることが目標だったので、今日は17番のパーパットと18番のバーディーパットを入れたかったです」

残り2日。佐久間は「1日1日を頑張るだけです。明日は気持ちを切り替えて、赤字で回りたいです」と言った。ツアー初優勝を逃した2試合は伸ばし合いだったが、今週は耐え忍ぶ“我慢大会”。「もともとはそういう方が好き」と話す佐久間が、心技体を充実させて悲願達成を目指す。

THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida

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