「私に席を譲りな!」GWの電車内で大騒ぎする年配女性vs言い返す女性 目撃証言にネット震撼

電車内で騒動を起こす人がいたらどうすればいいのか(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「昼間から酒を飲めるのは、幸せしかない」「車内での飲酒はアウトです」の声も

電車内で飲酒している人が大きな声で騒いでいたら……。日常生活で困った事態に遭遇してしまうことがある。「電車で酒飲んでるかわいそうな私に席を譲りな!」――。紙パック酒を片手に声を張り上げる年配女性の存在によって、車内は騒然となった。目撃者に詳細を聞いた。

今年のゴールデンウイーク(GW)連休中日の4月30日の昼過ぎ。神奈川・横浜市を走るJR京浜東北線の関内から桜木町の間の出来事だった。

「電車の優先席付近で、鬼殺しをストローで飲んでた年配の女性が『電車で酒飲んでるかわいそうな私に席を譲りな!』と大きな声でお騒ぎになっていたのだが、その人に対して『昼間から酒が飲めるなんて、あんたは幸せもんだよ!幸せを噛み締めな!』と返答してる女性がいてカオティック。色々な人がいる」

MT(@Mocherin)さんはXで騒動のてん末を報告した。車内は混雑ほどではないが、座席はすべて埋まっている状況だった。MTさんは隣りの駅で乗り換えだったため、まもなく電車を降り、その後の詳細は分からないという。

実はMTさんは、心理学のタイプ論ベースの対人関係とコミュニケーションの講座『TRUE COLORS Japan』を運営している会社の代表理事を務めている。もともと依存症の啓発の仕事にも携わった経験があるとのことだ。

当日の様子を「初見でこの女性を見た時は『こんな昼間から、電車の中で飲んでいるのは、大丈夫だろうか』という心配が先にありました。そんなことを思っていた直後の出来事だったので、『普段からお酒で問題を起こされているのでは?』とさらに心配になりました」と振り返る。

言い返した女性については「面白いやりとりではありましたが、勇気があるというか、無謀というか、お酒を飲んで酔っている状態の人に絡むのは、危ないなと感じました」。

こういった異様とも言える状況に電車内で遭遇した場合、どう対処したらいいのか。悩ましい。お酒を飲んでいる人は気が大きくなっており、なおさら対応が難しいものだ。

MTさんは「この手のトラブルに接することは多いですが、基本的には自分の安全を確保できる状態を維持するのが最優先だと思います。簡単に言えば、そっとその場から去ることではないでしょうか」と言及する。

続けて、「今回と別のケースで、男性の酔っている人に絡まれたことがありますが、正直難儀しました。合気道を長くやっていますが、酔ってる状態の人は制御がきかないので、けがをさせてもいけないし、かと言ってこちらがけがをしてもいけないし。当たり前の言葉になりますが『君子危うきに近寄らず』だと思います。合気道の師には『トラブルに巻き込まれるというのは、君の鍛錬が足らない証拠。本物の武人は、その立ち居振る舞いをもってして、そういう人を寄せ付けないものです』と昔怒られたことがあります(笑)。酩酊状態で倒れているなどの場合は救助したほうがいいですが、そういう場合も駅員さんを呼ぶなどが妥当かと思います」。実践的なアドバイスを提示する。

「お酒を飲んでつらさを忘れることは、決して幸せでなく、生きにくさやつらさの先延ばしだと思います」

今回の投稿は4.5万件のいいねを集めるなど、大きな反響を呼んだ。「昼間から酒を飲めるのは、幸せしかない 本当に忙しかったら、酒を飲む暇がない」「車内での飲酒はアウトです」「カオスw だけど優先席なら譲らないとね」「場末感がすごい」「怖い怖い」など、驚きの声が多数。また、1つの笑い話と捉える向きもあり、「凄くカッコイイ返しだ!」「ナイスすぎる笑笑」といった反応も寄せられている。

職業柄、「生きづらさ」に関して考えを深めているというMTさん。もし、アルコール依存などに陥っていたとしたら、適切な治療などの解決手段が必要になる。「今回飲んでらっしゃった方の背景などは分かりませんが、昼間から飲んでああいう状態というのは、何かしらの生きにくさや、心の問題を抱えているのでは、と思いました。言い返した人は『昼間から飲んで幸せだ』と言っていましたが、お酒を飲んでつらさを忘れることは、決して幸せでなく、生きにくさやつらさの先延ばしだと思います。先延ばして解決すればいいのですが、ほとんどそうはならないので……」と複雑な心境を明かす。

そのうえで、「この日、まさにそういう『生きづらさ』の解消についての講座をやっている依存症の専門の先生との打ち合わせの帰りだったので、いろいろ思うことがありました。余計なお世話かもしれませんが、ご家族や周りの方でお酒で問題を起こしている方がいたら、問題を起こしている本人はなかなか相談に行かない傾向にあるので、ぜひ専門家や専門機関に相談してほしいです」と呼びかけている。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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