フィリピン船や乗組員に被害及ぼす行動は「無責任」、米国防長官が批判

Phil Stewart

[ホノルル 2日 ロイター] - オースティン米国防長官は2日、南シナ海でフィリピン船に損害を与えたり乗組員を負傷させたりすることは国際法を無視した「無責任な行動だ」と述べ、中国を批判した。

南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)に向かっていたフィリピンの沿岸警備隊船など2隻が4月30日、中国海警局が使用した放水砲によって損傷して以降、両国は非難の応酬を繰り返している。

オースティン氏はハワイで開催された米比日豪防衛相会談後の共同記者会見で、「フィリピンの乗組員が危険にさらされ負傷し、物的損害が発生するような、われわれが目にしている行動は無責任だと、中国を含めた全ての国に明確にしてきた」と述べた。

1951年に締結された相互防衛条約に基づき、米国はフィリピンを支援し続けると改めて表明し、「この条約に対する米国のコミットメントは揺るぎない。われわれはフィリピンと共にある」と語った。

この条約は攻撃された場合に両国が互いを防衛する義務を定めている。

フィリピンのテオドロ国防相は条約を発動する条件について明言を避け、「政治的な決定」になると指摘。条約発動が必要になるような事態が生じないよう、両国は能力と抑止力の強化に取り組んでいると述べた。

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