「ゴマすれば上がるのか」自民議員の新たな“評価方法”案にSNSで疑問の声

5月2日、共同通信が「自民党が国政選挙への貢献度を反映させるため、積極的に応援に入った国会議員はプラス評価とする検討を始めた」と報じて自民党関係者を驚かせている。

「背景には政治資金パーティー裏金事件を受けて派閥の解消が進んだことがあるようです。これまでは派閥に所属していれば金銭面はもちろん、派閥トップの応援が期待できて、さらには選挙対策に明るいベテラン秘書や選挙コンサルタントを派遣してくれました。しかし今はそれも期待できなくなり、若手を中心に不安の声が高まっていました。そのための方策でしょう」(中堅議員秘書)

同記事は4月の衆院島根1区補欠選挙を例に「死去した細田博之前衆院議長は清和政策研究会(現安倍派)の元会長。だが、安倍派は活動を事実上停止しており、組織的な応援態勢は組めなかった」と解説。

さらに同区は、安倍派に代わり中国ブロックの秘書団が入ったほか、選挙区内の企業や業界団体にパイプを持つ議員が個別に動いたことで、自民党が得意とする組織力を活かせなかったとしている。

この新方式にベテラン政治担当記者は「違和感を覚える」という。

「おそらく党本部が応援議員の人選や派遣先を決めると思われますが、議員は『横のつながり』を大切にします。かつての派閥で一緒だった議員の応援には熱が入るでしょうが、話したこともないような議員の応援には戸惑うはずです。

それでも『応援に入った回数が評価につながる』ということであれば従わざるを得ません。

また逆に、例えば衆院選挙のときに呼ばれてもいない参院議員が駆けつける『押しかけ議員』や多くの選挙区を勝手に回る『ハシゴ議員』などが出てくるのではないでしょうか」

SNSにはこんな声も。

《ゴマすれば評価が上がるのか》

《自民党、大丈夫?選挙応援って戦略的に行うものなのに、無秩序に応援が入りかねない状況にしてどうするんだよ》

《仲良しグループで相互にポイントかせぎまくるようなことがはじまると、それがまた派閥的存在になっていくんじゃないの?》

など批判的な書き込みが目立っていた。国民が選ぶ国会議員を党が人事評価するようなこの制度。とてもまともとは思えない。

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