【NHKマイルC/追い切り診断】アスコリピチェーノに迫る高評価は想定“10人気”の盲点 「大仕事」へ向け、よりブラッシュアップ

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第29回NHKマイルカップ(5日/GI、東京芝1600m)には、昨年の朝日杯FS勝ち馬で皐月賞3着ジャンタルマンタル、阪神JF勝ち馬で桜花賞2着アスコリピチェーノ、ニュージーランドT2着ボンドガール、サウジアラビアRC勝ち馬ゴンバデカーブース、アーリントンC勝ち馬ディスペランツァらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ロジリオン」を取り上げる。

◆【NHKマイルカップ2024予想/追い切り診断】最高評価「S」はジャンタルマンタルかアスコリピチェーノか 「勝ち負け必至」反動どころか上昇ムード

■ロジリオン

【中間調整】昨年10月、デビュー3戦目の未勝利で初勝利。そこから中2週で臨んだ京王杯2歳Sは8番人気という評価も、実戦ではレコード駆けしたコラソンビートにクビ差の2着と大健闘を収めた。それも前が壁になり、仕掛けが遅れた不利があっただけに濃い内容の一戦だったと言える。その後は朝日杯FSには進まず、年明けまで待機。1回東京の開幕日に行われたクロッカスSで接戦をモノにして、能力の高さを改めて示した。そこから中6週のファルコンSも期待されたものの、ここでは0秒6差の5着止まり。ただし、これは1枠1番が仇となり、窮屈な競馬を強いられた分の敗戦と言えた。

さらに中6週で大目標のNHKマイルCに進むのは当初からの既定路線。短期放牧を挟んで帰厩後、坂路でジワジワ気持ちを乗せていくのは、同じ中6週だった前走時同様だ。1週前は馬なりで3頭併せ最優勢の動きを披露。時計、躍動感ともに前走時1週前追いのそれを凌駕するものがあった。

【最終追い切り】レース当週も新コンビとなる戸崎騎手が感触を確かめるような軽めの内容。ウッドで古馬3勝クラスと併走し、ラストは相手に合わせるようにして併入とした。ちょっとでも仕掛ければ突き放せそうな雰囲気にあったのは好感。

【見解】京王杯2歳Sで僅差2着した時点で陣営はNHKマイルCへの青写真を描いていたことは想像に難くない。左回りにこだわり朝日杯FSをパス。クロッカスS→ファルコンS→NHKマイルCと3回連続の左回り戦、2連続で「中6週」というローテを組み、きっちり照準を絞ってきたようだ。思惑通りというか、前走時と同じ調整期間で、よりブラッシュアップした調整内容をこなしている。鞍上とのコンタクトはしっかり取れているようだし、大仕事があっていい。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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