阪神タイガース・岡田彰布監督、なぜかヤクルトを“異常警戒”のワケ

開幕2カードを負け越してしまい一時は派手に取材拒否、最終的には在阪スポーツ新聞各紙が〝謝罪コラム〟を掲載して手打ちした阪神・岡田彰布監督。勝負の風を読むのが上手い指揮官が最近、「巨人マークせなあかん!」から敵対視する相手が変わってきたというのだ。

4月26日から28日まで、阪神は甲子園でヤクルトとの3連戦を展開。このカードは2勝1敗と勝ち越したが蓋を開ければ昨年ぶっちぎりで日本一を取ったチームとは思えない展開だった。

「初戦は青柳(晃洋)が炎上して敗戦、翌日には2軍再調整を命じた。2戦目、3戦目も劣勢だったがヤクルト側の不味い守備などに助けられて白星が転がり込んできたという内容。とても昨年セ・リーグ優勝チームの戦いとは思えないほど余裕がありません。レギュラー外しが見え隠れしている佐藤輝明、不振のままの大山悠輔など打者の不調がそのまま響いてしまっています」(球団OB)

今年2月のキャンプで、岡田監督が阿部慎之助新監督率いる巨人を最大に警戒していたことは記憶に新しい。

「新戦力が入っただけでなく新監督になれば、当然チーム全体の野球スタイルが変わるからです。一例挙げると原巨人時代よりもバントを多用する傾向が強くなったことでしょう。実際に巨人は5月1日時点で阪神に次いでセ・リーグ2位。しっかりと地力をつけてきている印象です」(同前)

その中で最近、岡田監督が「あそこも見とかなあかん」と口うるさくなりだしたチームがヤクルトだ。近年は年度別成績を見ても優勝、最下位とまるでジェットコースターのようで戦力だが、ハマれば一気に強くなるチームだ。

「だから岡田監督は警戒を始めたようです。ヤクルト投手陣はまだまだ甘さが目立つが、攻撃陣が目を覚まし始めていることも理由のひとつ。これまでヤクルトが優勝するパターンといえば、ペナントレースでぶっちぎりるのではなく、混戦模様で相手チームが決め手を欠いてる最中に頭一つリードしてそのまま突っ走る。2021年は阪神と最後まで優勝争いをしましたがあの時もギリギリまで2位、3位付近にいたのに最後は1勝差でリーグ優勝。当時の矢野燿大監督の悔しがり方は尋常ではなかったようです」(球界OB)

ヤクルトは5月1日の時点で借金はまだ3、セ・リーグ最下位とはいえ侮れない位置にいる。

「岡田監督は報道各社のインタビューで『今年は団子レースになる』と混戦を予想している。厄介な敵が1球団増えたと警戒を強めているでしょう」(ヤクルトOB)

今年は虎ファン同様、岡田監督も気持ちが落ち着かない試合が増えそうな予感がする。

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