新型コロナ関連の経営破綻、4月は244件 高水準続く 累計1万件も目前に

東京商工リサーチが4月の「新型コロナ」関連の経営破綻の状況を発表。月ごとの倒産件数は前年を1割程度下回ったものの、依然として高い水準でコロナ関連の破綻が続いていることが分かった。

■累計破綻件数1万件が目前に 1日、東京商工リサーチが4月の「新型コロナウイルス」関連の経営破綻(負債1,000万円以上)状況を発表した。4月の破綻件数は前年同月比9.9%減の244件となり、過去2番目に高水準だった3月の312件からも減少した。負債1,000万円未満も含めた累計の倒産件数は、9,489件となる。

脱コロナで経済活動に回復の傾向が見られる一方、コロナの影響を引きずる企業も多い。またコロナ中に実施された融資の返済が始まったことで、資金繰りに苦しむ企業が少なくないことから、今後も月ごとの倒産件数は200~300件の高い水準が続く見通しで、今夏にも累計で1万件超えとなる可能性が大きい。

■福岡、宮城、群馬は倒産件数と比べて割合が上昇 累計件数の9,489件を都道府県別で見ると、倒産件数が最も多かったのは東京都の1,936件で、唯一の1,000件超え。以下は大阪府が881件、福岡県が535件、愛知県が464件、兵庫県が415件、神奈川県が409件、北海道が388件、埼玉県が321件で、ここまでが300件超え。

次いで広島県が258件、京都府が237件、千葉県が226件、宮城県が229件、静岡県が222件、群馬県が214件で200件を超えている。

反対に最も倒産件数が少なかったのは、鳥取県の20件。以下は高知県の29件、宮崎県の43件、和歌山県の43件、山梨県の40件、徳島県の44件、秋田県の55件、佐賀県の55件、島根県の59件など。

破綻企業が占める割合で見た場合、最も高いのは東京都の0.463%で、唯一の0.4%超え。次いで福岡県が0.395%、宮城県が0.385%、群馬県が0.329%、大阪府が0.323%、広島県が0.310%、栃木県が0.319%で、ここまでが0.3%超え。

以下、京都府が0.299%、兵庫県と富山県が0.285%、北海道が0.273%と続いている。

倒産件数では3位の福岡県が倒産割合では2位となった他、12位の宮城県が割合では3位、14位の群馬県は同4位に上昇している。一方、倒産件数で4位の愛知県は倒産割合では21位、5位の兵庫県は同9位、6位の神奈川県は同25位に下がっている。

■従業員数が5人未満の小規模な企業が6割超 負債1,000万円以上の破綻件数9,052件のうち、最も多かった業種は飲食業の1,472件。以下は建設業の1,095件、アパレル関連(製造、販売)の641件、飲食料品卸売業の364件、食品製造業の276件、貨物自動車運送業の258件、宿泊業の241件と続いている。

倒産した8,827件を破綻の形態別で見ると、破産が7,988件と構成比で90.4%を占めている。以下は取引停止が332件(構成比:3.7%、以下同じ)、民事再生法が261件(2.9%)、特別清算が216件(2.4%)と続く。

従業員数が判明した8,838件の総従業員数は7万7,436人で、平均の従業員数は8.76人。従業員が5人未満の企業が5,322件で60.2%を占めた。次いで5人以上10人未満が1,657件(構成比:18.7%、以下同じ)、10人以上20人未満が1,029件(11.6%)となっている。

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