祭りを前に早くも熱気…伏木曳山が本番前に倉出し 地震の影響で大幅縮小も復興のために開催 富山・高岡市

能登半島地震からの復興を願い、規模を縮小して開催する富山県高岡市の「伏木曳山祭」。17日からの祭りを前に3日、全7町の山車の倉出しが行われ、港町は本番さながらの熱気に包まれました。

毛田千代丸キャスター:「にぎやかな囃子の音に合わせて今、十七軒町の山車が倉から出てきました。これから試し引きが行われます」

「けんか山」の別名で知られ、重さ8トンの山車が高岡市伏木地区を練り歩く「伏木曳山祭」。

今月17、18日の本番を前に、7つの町の山車すべての倉出しが行われました。

伏木本町の山倉では花傘をつけた5基の山車が倉から出され、祭りの成功や安全を祈って神事が執り行われました。

祭の実行委員会によりますと例年、倉出しは夜に行っていますが、今年は能登半島地震で被害を受けた路面の状況や電線の高さを確かめるため昼におこない、祭り本番の巡行経路に沿って試し引きしました。

旧本町の男性:「町内の皆さんに自分らの声と思いが伝わるように、大きな声ではやしたてながら運行したいと思います。宜しくお願いします」

伝統の祭りにも地震の影響が…

伏木地区では液状化被害が深刻なため、ことしは巡行経路を例年の4分の1に縮小することが決まっています。

また、山車同士が激しくぶつかり合う「かっちゃ」については例年2か所で開催していましたが、場所を変更し、1か所で行うということです。

大幅な規模縮小となりますが、本番さながらの威勢のいい掛け声と囃子方に沿道には多くの人が詰めかけ、祭りの開催を喜びました。

地元住民:「祭りやわーって感じ」「わくわくわくわくする」「どうなるかなと思ってたけど、こうやって山車が出ているのを見るとうれしいです」

地元住民:「元気になりますね。私ら今うちにおって音聞こえたら走ってくるみたいなもんで。やっぱり伏木に生まれ育った者はこの囃子方のはやしを聞いて、力もらってますね」

実行委員会は、ことしは地震の影響で駐車場が使えないため誘客はしない方針で、地元住民のために復興を祈願する祭りを目指しています。

伏木曳山祭実行委員会 針山健史会長:「震災から地域の皆さんに元気を出してもらえるようなお祭り、そして復旧復興をこころから祈念できる、祈願できるそういったお祭りにしていきたいというふうに思っています」

祭り当日は7つの町の山車すべてが巡行する予定ですが、「かっちゃ」に参加する町については5月9日の全町会議で決まるというです。

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