東山紀之SMILE社の抗議にBBCが反論 鈴木エイト氏「ジャーナリズムを示した」

SMILE社の東山紀之

イギリスBBCが3日、SMILE―UP.の抗議文書に反論する声明を発表した。

BBCは3月30日に「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」を放送。東山紀之社長がインタビュー取材で「言論の自由もあると思うんですね。僕は別に誹謗中傷を推奨しているわけでもなく、多分その人にとってはそれが正義の意見なんだろうなと思う時もあります」などと発言し、誹謗中傷と言論の自由を並べたことで、一部から批判の声が相次いだ。

これをSMILE社が問題視。東山の発言内容は「実際の発言の趣旨とは異なって放送された」と主張し、インタビューで「なるべくなら誹謗中傷はなくしていきたいと僕自身も思っています」と発言した部分を省略したことで「誹謗中傷を助長している」と批判を受ける状況になったと指摘した。

その上で「東山の発言を意図的にゆがめて放送し、視聴者の印象を操作しようとするものであると言わざるを得ず、大変遺憾に存じます」とし、謝罪と訂正を求めていた。

これにBBCは「このドキュメンタリーは、BBCの厳格な編集ガイドラインに沿って綿密に調査され、報道されました」と説明。続けて「BBCは、編集上の決定に際して常に慎重な検討を重ねており、東山氏を含むすべての取材対象者が公平かつ正確に描写され、必要なすべての反論機会が与えられるよう配慮しました」と反論した。

また、SMILE社は性被害の補償業務にボランティアで協力している性被害者と、BBCの担当者による面談について、面談の内容については放送しないよう約束を取り交わしたと主張した上で、面談の内容が放送されたことは「約束違反」と抗議していた。

これに対してもBBCは「SMILE―UP.社が設定したサバイバーとの面談において、その話し合われる内容のいかなる制限にも同意しておらず、同社の主張を否定します」と強調。〝約束を取り付けた〟という主張自体を否定し「私たちは、自らのジャーナリズムに自信を持っています」とした。

ジャーナリストの鈴木エイト氏は同日、X(旧ツイッター)を更新し「SMILE―UP社からの抗議に対するBBCの声明。SMILE―UPの主張・見解を完全否定した上でBBCとしてのジャーナリズムを示した。BBCがここで『ジャーナリズム』という言葉を提示した意味を考えるべき」と私見をつづっている。

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