プロ初黒星のソフトバンク大津亮介、「うまくかわしてっていうふうに見えた」首脳陣が指摘した評価ゆえの〝苦言〟

6回1死満塁、西武・中村剛の三ゴロでリチャードが併殺を狙うもできず、先制を許した大津(右)(撮影・安藤由華)

◆西武1―0ソフトバンク(3日、ベルーナドーム)

ソフトバンクの大津亮介投手(25)がプロ初黒星を喫した。6回4安打1失点と好投した反面、自己最多の3与四球と苦しんだ部分もあった。首脳陣が指摘したのも四球を許したような〝かわす〟投球だった。

1点を失った6回は1死二塁から金子侑、源田を連続四球。いずれもコーナーを付いた結果、ピンチを広げた。その後、中村剛の三ゴロでこの日両軍合わせて唯一の得点となる1点を失った。小久保監督は「向こうのピッチャー(武内)が良くて、1点取られたら負け(の状況)で、1、2番へのフォアボール。あんなにええ真っすぐあんねやったら、全然(ストライク)ゾーンで勝負してよかったと思うんですけど。うまくかわしてっていうふうに見えてしまいましたね。そんな気持ちないんでしょうけどね」。制球力や多彩な変化球に加え、直球も力強いものを持っている。指揮官は、そう評価するがゆえの苦言だった。

倉野投手コーチも「そこは乗り越えてほしいですよね。慎重になって。フォアボール、フォアボールじゃね。やっぱり厳しくなってるから」と大津の可能性を信じた上でより高い水準を求めた。ただ、4試合で3勝1敗、防御率1・04。課題の体力面を含めて成長の余地を多く残す中で、先発初年度で上々の滑り出しを見せていることも事実だ。倉野コーチは「すごくいい経験を積んでいると思う。今日負けたからといって、ダメだったねとは全然思わない。むしろ、ちゃんと先発の役割を果たしてくれたので。完璧じゃないかもしれないけど、ナイスピッチングだった」と評価も忘れない。

試合後、疲れ切った表情の大津は「フォアボールがダメだったんで、もっとゾーンで勝負できたらよかった。相手のピッチャーもめっちゃ調子よさそうでしたし、ああいう試合をものにできるように次はしたい」と雪辱を誓った。連勝街道はストップしたが、それ以上に今後への大きな糧を得た所沢のマウンドとなった。
(鬼塚淳乃介)

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