具体的に遺棄方法指示か 実行役の2人、空き家付近に1~2時間 那須2遺体焼損事件

那須2遺体焼損事件の構図

 那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、指示役とされる住所、職業不詳の男(28)=死体損壊容疑で逮捕=が仲介役とされる埼玉県越谷市、建設業の男(25)=同=に、遺体の具体的な遺棄方法を指示していた疑いがあることが3日、捜査関係者への取材で分かった。これまでに逮捕した4容疑者は被害者と接点がみられず、捜査本部は他にも主導的に関与した人物がいるとみて経緯などを調べている。

 捜査関係者によると、建設業の男は指示役とされる男から「遺体の処理を頼まれた。(実行役の)2人に依頼した」などと供述。建設業の男は事件前にガソリンや携行缶などを購入しており、指示役とされる男から指示を受け準備したとみられる。

 また実行役とされるいずれも住所、職業不詳で、韓国籍の男(20)=同=ともう一人の男(20)=同=の両容疑者が4月16日未明、夫婦が暴行されたとみられる空き家や周辺に1~2時間滞在していた疑いがあることも判明。捜査本部は暴行に関与した可能性があるとみている。

 これまでの調べで4容疑者は報酬目的で関与した疑いがある。建設業の男は「1500万円の報酬を受け取った」などと供述。自身が900万円、指示役とされる男は100万円、実行役とされる両容疑者が250万円ずつ受け取ったとの説明をしているという。

 一方、指示役とされる男は「報酬は得ていない」と供述しているとされ、実行役とされる両容疑者の供述と食い違いがあるという。捜査本部は供述の信ぴょう性や金の流れを慎重に調べている。

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