「夢の世界」に心躍らせ 「お菓子の美術館」開幕 氷見市芸術文化館

カラフルなお菓子でデコレーションされた木馬のメリーゴーラウンドなど「ファンタジーの世界」を楽しむ来場者=氷見市芸術文化館

  ●スイーツアートで心の復興

 「お菓子の美術館~渡辺おさむスイーツアートin氷見~」(富山新聞社、北國新聞社主催)は3日、氷見市芸術文化館で開幕した。本物そっくりに作った樹脂製の装飾で、さまざまな世界を表現している現代美術家の渡辺さんが、精巧でカラフルな作品を展示した。富山県内外から訪れた多くの来場者が、能登半島地震からの復興を目指す氷見で「夢あふれる世界」に心を躍らせた。

  ●作者渡辺さん「幸せな思い出に」

 お菓子の美術館は動物の森や水族館、世界の名画などを表現したスイーツアートの展覧会で、北陸で開催されるのは初めて。思わず手に取って食べてみたくなるような斬新で創造性豊かな作品が300点以上展示され、来場者は作品に入り込んで撮影を楽しむなど「ファンタジーな世界」にたっぷりと浸った。

 寒ブリや大漁旗などをモチーフにした氷見限定のオリジナル作品が初公開され、来場者の目を引いた。

 渡辺さんが舞台ホールを使った初めての展覧会で、立体的な作品が鮮やかな舞台照明でさらに輝きを増した。渡辺さんは開会式で「震災もあって暗いムードだったが、夢のある世界で幸せな記憶の思い出の一ページになればいいなと思う」と語った。

 開会式では、林正之市長が「長い復興の道のりの中で元気と勇気を与えてくれる。氷見から北陸に心の復興を発信できる」と強調した。吉田仁富山新聞社代表(北國新聞社常務)があいさつし、廣島伸一県教育長が祝辞を述べた。関係者がテープカットした。渡辺さんのギャラリートークも行われた。

 会場では「お菓子の美術館」アンバサダーで七尾市出身のパティシエ辻口博啓さんのスイーツをはじめ、富山、石川、長野県の菓子店19店の50品以上が販売されている。

 4日午前11時、午後2時には渡辺さんと作る「デコ・ワークショップ」が開かれる。フォトスポットラリーやぬりえコンテストなども行われる。青空広場では「氷見ベジマルシエ」も開催される。

 会期は30日までの午前10~午後5時で、土曜日は午後7時まで。観覧料は大人1200円、高校・大学生800円、中学生以下は無料。障害者手帳持参者と同伴1人まで600円。

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