【35年前のGW】珍事!電気機関車EF64の台車付近に「鳥の巣&卵」が!?毎日、岡山ー米子間320キロを「親子旅」

2024年春、「ブロンズやくも」デビューで俄然注目を集めているのが、JR伯備線です。

その伯備線で、1989年のきょう(5月4日)ゴールデンウィークのさなかにこんな珍事がありました。当時のニュースを振り返ります。

まさか!電気機関車の「あんなところ」に鳥の巣が!!

(1989年5月4日のニュースより・一部加筆)
岡山と米子を毎日往復する定期貨物列車に、「巣を作って旅をしながら卵をあたためている『セグロセキレイ』」がいるんだそうです。

セグロセキレイが巣を作ったのは、石油などの荷物を運ぶ定期貨物列車を引っ張る電気機関車です。

毎日米子を出て、岡山で荷物を積んで、再び早朝に米子に帰る定期便ですが、どうも米子駅の構内に停めてある日中に「巣づくり」をした様子です。

それがどんな場所に巣作りをしたのかというと。。。なんと【画像②】のような電気機関車の台車の部分。それも【画像③】のような、車輪のすぐそばの空間でした。

集められたワラの上に、まさかの卵が!

見つかったのは4月末。以来、母鳥は毎日320キロ、岡山ー米子間を旅しながら、卵を温めていたそうです。

ただ鳥にとっては予想外のゴールデンウィークで、機関車がここ5日間岡山で足止めとなったため、親鳥が迷子になったのかどうか。。。

今は、巣の中で卵だけがじっと待っています。

【解説】
セグロセキレイは、中国地方整備局 太田川河川事務所(広島県)のホームページ(https://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/Bio/birds/index384.htm)によりますと、日本特産種で、北海道~九州まで留鳥として分布。その産卵期は3月~6月で、「村落付近」「水辺」「屋根や石垣の隙間」「草木の根元」などに営巣し、産卵するということです。

なお巣は、「糞」「枯草」「樹皮」「ぼろ切れ」などで作り、内部に「羽毛」「獣毛」「糸くず」などを敷くとのことです。「抱卵日数」は11~13日で、「巣立ちまでの日数」は約14日だそうです。

35年前のきょう、上記の「屋根や石垣の隙間」ではなく、まさかの「電気機関車の隙間」に営巣していたセグロセキレイ。

当時の原稿には「親鳥が迷子」とありましたが、たまたまその時親鳥がエサを探しに行っていなかっただけだといいなぁ、と思いつつ。。。あと「よく振り落とされなかったな」と感心する次第です。

いまは、この何代あとのセグロセキレイが空を舞っているのでしょうか?

当初、タイトルにEF65とありましたが、JR貨物の関係者の方に確認したところ、当時の「西岡山駅」から「米子操」まで運用していたのはEF64とのことでした。修正させていただきます。

現在もEF64は岡山貨物ターミナル駅から伯耆大山駅まで現役で運用されています。

© RSK山陽放送株式会社