男からのLINEの返信が遅い時「仕事が忙しい」と言われたら、どこまで信じていい?

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「好きだよ」と言われたはずなのに…32歳の経営者男が、勝ち確定デートで負けたワケ

想(そう)と出会った時、私のなかで稲妻が走った。

― やばい、カッコイイ…。

かなりタイプで、何としてでも交際したいと思った。そして、実際二度もデートしたし、「また飲もうね」と次の約束までしている。

でも先月半ばから、「仕事が忙しい」に始まり、返信が遅いなと思っていたら「最近体調が悪くて」と連絡が来た。

「体調が悪い」と言われたら、心配するしかない。そこを無視するのはいい女ではないから。

― Seira:体調悪いの?大丈夫?
― 想:うん、今は大丈夫。連絡できてなくてごめんね。

しかし男性が言う「忙しい」と「体調悪い」。これらの言葉を、どこまで女は信じていいのだろうか…?

Q1:初デートで、男が驚いた点は?

想とはマッチングアプリで出会った。今年で30歳になるという、1歳年下の想。大手人材派遣会社勤務で、学生時代にスポーツをしていたというだけあり、清々しくて爽やかなイケメンだった。

写真を見た時点でタイプだと思ったけれど、実際に会ってみると、写真よりもさらにかっこよかった。

だから最初のお茶の段階で、私は彼の好みを根掘り葉掘り聞いてみた。

「想くんは、どういう女性がタイプですか?」
「僕は自分をしっかり持っている人が好きです。星羅さんは?」
「私は優しくて誠実な人、ですかね」

このお茶は成功だったようで、次は食事に行くことになった。

そして虎ノ門ヒルズにある『虎ノ門 もう利』での初デートも、順調だったと思う。

「星羅さん、てやめない?1歳しか年も変わらないし…」
「そうだよね、ごめん。じゃあ遠慮なく」

ハイボールを飲みながらニヤッと笑う想。その笑顔に私は胸を撃たれる。

「星羅ちゃんのお仕事は、土日休み?」
「うん、そうだよ。想くんは?」
「僕も基本は土日休み。でもイレギュラーなことが多くて、土日に仕事が入ることもよくあるんだよね」

お互いの仕事の話や毎日のルーティンなどを話し合う。小さなことかもしれないけれど、盛り上がった。

「星羅ちゃん麻布十番に住んでるんだ!でも会社へのアクセス、ちょっと悪くない?」

私は渋谷のIT関連の会社に勤めている。以前は六本木にオフィスがあったが、会社が移転してしまったのでアクセスがやや悪いのは仕方ない。

「そうなんだよね…。でも前はオフィスが六本木だったから、通いやすかったんだよ。ただ今は、面倒な時は結局タクシーになるから引っ越したくて」
「それは厳しいね」
「毎日タクシーとか、重役出勤みたいだよね」
「はは、たしかに」

想との正式なデートは今日が初めてだけど、一緒にいて居心地が良く、「いいな」と思う気持ちが強くなっていく。

だからお会計を待つ間、私は自分の気持ちを素直に伝えてみることにした。

「想くん、今日すごく楽しかった!またご飯行けたりする…?」
「もちろんだよ。僕も楽しかった」

そんな会話をしているタイミングで、伝票が運ばれてきた。今日は初回だし、出すべきだと思ったので私はカードを出そうとする。

すると、想が笑顔で首を横に振った。

「大丈夫だよ、ここは僕が払うから」
「本当に?ありがとう。じゃあ…二軒目は私が払うね」

こう言えば、二軒目へ行く口実にもなる。

そして私の計算通り、二軒目へも行くことになったのだけれども、ここのお会計も想が支払おうとしてくれたので、私は慌てて財布を出した。

「さすがに少し出すよ」
「そう?じゃあ…3千円だけもらおうかな」
「わかった」

しかし、財布を開けて驚いた。今日に限って、キャッシュが入っていない。

「ごめん…現金忘れちゃって…後でスマホ決済系のアプリで支払っていい?なんのアカウント持ってる?」
「現金、入ってないことあるよね」

結局この日は、全額想にご馳走になり、私たちは二度目のデートの約束をして解散した。

Q2:LINEの返信が「忙しい」となったとき。男の心理は?

二度目のデートも、想が予約してくれていたイタリアンへ行くことになった。

一度行きたいと思っていた、広尾にあるこの店は有名店で、リンクが送られてきた時点で私はかなり楽しみにしていた。

「星羅ちゃんって、何のお酒が好きなの?」
「私はワインかシャンパンが好きだよ」
「じゃあ今日の店、正解だった?」
「うん!ありがとう」

想はお店選びのセンスも良く、私も思わずニコニコ笑顔になる。

「こういうお店に連れてきてくれる男性って素敵だよね」
「そうなんだ。良かった」

そして美味しい料理とお酒を堪能し、二人とも良い感じに酔いが回ってきた。

「二軒目、どうする?」

前に、知り合いに連れていってもらった素敵なバーが近くにあることを私は思い出す。雰囲気も良いし、お酒も美味しかったので、グルメな想も、きっと気に入ってくれるに違いない。

「近くに、前に行ったことがあるお店があって。そこ行かない?雰囲気も良いし。“紹介制”って言っていたけど、たぶん入れるはず…」
「本当に?なんていう店?」
「ここなんだけど…」

インスタのDMでしか予約を取っていないようだったので、とりあえず想にアカウントを見せながら、お店にDMを送ってみた。

すると返信が来て、予約が取れたので私たちはそのバーへと移動することにした。

「星羅ちゃん、さすがだね。こんな店を知っているなんて」
「たまたまだよ。私もこの前連れていってもらっただけだから」

そのお店に入ると、カウンター席には業界人っぽい人も何人かいた。

「すごいね、ここの店」
「でしょ?想くんも、一度来たから次からは予約が取れると思うよ」
「マジで?嬉しい!ありがとう」

結局この日、このバーでシャンパンを1本開け、私たちはかなり良い感じになった。ちゃっかり想も店主の人とインスタを交換し、仲良くなったようだ。

気がつけばバーに2時間以上おり、時刻は24時を回っていた。しかしお会計になった時に、私は前回のことを急に思い出した。

「あ…ごめん、そういえば前回のお金、まだ支払ってなかったね」
「あぁ、たしかに」
「でもごめん、今日もキャッシュ持ってなくて。また次回でもいい?」
「うん、いいよ」
「次いつにする?」
「ちょっと今月忙しくて…後で、予定が見えたら連絡してもいい?」
「もちろん!」

こうして、この日は二軒目で解散となった。

しかしこれ以降、想からの連絡頻度はガクッと減り、連絡をしてもしばらく返事が来ない。

来たとしてもだいぶ遅く、ほぼ毎回「ごめん忙しくて」と返ってくる。

― でも、「今月は忙しい」と言ってたからな…。

忙しいのは事実なのだろう。しかしこれに加えて、「体調が悪かった」とも来た。

― 信じよう…。きっと、本当に忙しくて、体調も悪かったに違いない。

でもどこか引っかかる。

はたして、どこまでが本当のことなのだろうか…?

▶前回:「好きだよ」と言われたはずなのに…32歳の経営者男が、勝ち確定デートで負けたワケ

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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男の「忙しい」はどこまでが本当?

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