川崎FWゴミスが見せた“圧巻キープ”。浦和CBショルツとのバトルを制しながらゴールの起点になった強さと巧さ

[J1第11節]川崎 3-1 浦和/5月3日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

J1の11節での浦和との一戦、ホームの川崎が6試合ぶりの勝利を掴んだゲームで、4-3-3のCFで先発したのが38歳FWバフェティンビ・ゴミスだ。

「相手の最終ラインのスピードも当然考えましたが、やはり自分たちがボールをしっかりとつないでいく、収めながらいかなければいけないと思いました。その中で、バフェ(ゴミス)はどんな状況でもボールが入れば簡単には失わないですし、そこから返ってくるボールは質が高いので、そこでしっかり起点を作りたいという思いで彼を選びました。

得点のシーンもそうですが、かなりの部分でターゲットになってくれたと思いますし、選手もそこをパッと見るので、当然相手もそこを警戒したり、もしくはそこを警戒することによって、自分たちの幅をスムーズに使えるようになっていたところもあると思うので、非常にいい働きをしてくれました。また、前からプレッシャーに行くときも迫力を出せていたと思うので、本当にここからかなと感じています」

川崎の鬼木達監督がそう語るように、1-1で迎えた後半立ち上がりの49分、CB佐々木旭がハーフウェーラインからドリブルで持ち上がり、そのままミドルを突き刺したゴールの起点になったのがゴミスだった。

【動画】ゴミスの“圧巻キープ”からゴールまでの流れ

最終ラインからシンプルに佐々木が前に蹴り出した浮き球を、屈強な浦和CBアレクサンダー・ショルツを背負いながら、ゴミスは抜群のキープ。

その落としを受けた橘田健人が佐々木へとつなぎ、ゴールを生まれたが、ゴミスの身体の強さやテクニックが大いに光ったシーンであった。

さらに経験豊富なストライカーは、エリア内のキープで脇坂泰斗の先制ゴールの起点にもなってみせた。

川崎加入後、いまだノーゴール。3月には怪我の治療でフランスに帰国するも、すぐ日本に戻り、コンディションは順調に回復している印象だ。

「監督も自分のストロングポイントを出せるようにチームメイトに働きかけてくれたと思うし、1週間準備してきたことが形になって嬉しい。個人としては、試合勘をまだまだ上げなければいけないと思う。自分のような年齢になるとコンスタントにゲームに出てコンディションを保つことが必要だが、我々はチーム。チームの戦い方をリスペクトしているし、自分は試合に向けた準備を続けるだけ。チームのためにどう貢献できるかを考えてやり続けたい」

本人も前を向く。実力をさらに示してくれるか注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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