プロテスト1位合格者も「裏方」に徹した2日間 朝4時起き、清本美波に残る“別物”の疲労と闘志

プロテスト1位合格の清本美波(右)は、パク・ジヘとキャリングを担当【写真:編集部】

ワールドレディスサロンパス杯第2日

女子ゴルフの国内メジャー・ワールドレディスサロンパス杯は3日、茨城GC東C(6665ヤード、パー72)で第2日目が行われた。予選の2日間は2023年度プロテスト合格者が、裏方として大会運営に関わる「ルーキーキャンプ」に参加。普段、大会を支えているボランティアのありがたさを再確認し、間近でトップ選手から多くのことを学んでいた。

1万1721人のギャラリーを集めた第2日。プロテストトップ合格の清本美波は、パク・ジヘ(韓国)とキャリング(スコアボードを運ぶ係)を担当した。

「ボードは重みを感じました。ギャラリーの方に見せつつ、選手の邪魔にならないように気を遣いながらやって、大変さとありがたさを感じました」

いつもと同じロープの中でも、見える世界は別物だった。「端っこでラフを歩くので、足を取られてすごく疲れました」。プレーヤーじゃないからこその気付き。それだけじゃない。

目の前には、第27組の山下美夢有、古江彩佳、竹田麗央がいた。2年連続の年間女王、米ツアー優勝経験者、さらに現時点のメルセデス・ランキング首位選手が揃う豪華な組。裏方ではあったが、プレーに目を奪われた。

「みなさん、決めるところはしっかり決めてスコアを作っていると感じました。ルーティンにも時間をかけていてやり直しているところもあって、徹底していました」

ラウンドを終えた3人からは「ありがとうございます」と言われ、握手も求められた。「うれしかったです。自分もそんな選手になりたいです」。大会に出場はできなかったけれど、闘志に火が付くには十分だった。

神谷和奏(左)、政田夢乃も朝4時起きのルーキーキャンプに参加【写真:編集部】

午前4時起きの2日間で得た経験「大きいです」

5度目の受験でプロテストに合格した政田夢乃、出産後に合格した神谷和奏も同じ思いだった。

政田「ボランティアのみなさんのありがたさがよく分かりました。これからも必ず、挨拶します」

神谷「(岩井)千怜さんが、キャディーさんと相談して、あえてピンを狙わないことを決めたところが印象的でした。参考になりました」

同期合格者でも石田可南子のように今大会の出場者がいたため、ルーキーキャンプの参加者は18人。全員が午前4時に起床し、同6時前にはコース入りした。神谷は実感を込めて言った。

「正直、すごく長く感じて試合とは違う疲れがあります。でも、この経験は大きいです」

ルーキーキャンプを経験した後、メジャー大会を制したプロも少なくない。感謝、学び、出場できなかった悔しさを感じた18人が、この2日間をこれからの糧にしていく。

THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe

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