江戸時代から続く伝統…160人で引いた大凧ふわり 昨年の事故受け安全対策徹底 春日部「大凧あげ祭り」

大空に舞う大凧と綱を引く参加者=3日午後、春日部市西宝珠花の江戸川河川敷

 江戸時代から続く春日部の「大凧(おおだこ)あげ祭り」が3日、埼玉県春日部市西宝珠花の江戸川河川敷で開かれた。上若組の大凧が見事空に舞い、観客が拍手を送った。祭りは5日も開催する。

 地元で江戸時代から伝わる伝統行事。大凧は縦15メートル横11メートル重さ800キロ。昨年は大凧が土手近くの民家に落下。けが人はなかったものの、今年は安全対策を徹底して臨んだ。

 この日は、河川敷に程よい強さの南風が吹いた。午後1時ごろから地元小中学生らが小凧(縦6メートル横4メートル重さ150キロ)を揚げた。「未来」と「復興」の小凧が風に乗り首尾よく揚がった。

 午後3時ごろから大凧揚げが開始。下若組は「昇龍」、上若組は「大凧」と書かれたそれぞれの大凧を順番に揚げた。下若組は揚げた直後、横風にあおられ失敗した。

 上若組は風向きを見定めながら、合図に合わせ引手160人が一斉に綱を引いた。「大凧」は風に乗りふわりと舞い上がると勢いよく上空へ。約30秒ほど飛翔し着地した。

 「庄和大凧文化保存会」の川島栄会長は「昨年の事故を受け安全対策を徹底した。南南東の良い風が吹いて、事故もけが人もなく良かった。5日も再挑戦したい」と笑顔で話した。

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