自然環境功労者大臣表彰の2人に聞く 舟山政男さん/平智さん

舟山政男さん

 自然環境の保全で顕著な功績のあった団体・個人をたたえる2024年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受けた舟山政男さん(69)=飯豊町=と、平智さん(65)=鶴岡市=は3日までに山形新聞の取材に応じ、活動への思いや今後の抱負を語った。

沼ノ口湿原、後世に残したい

 飯豊町議の舟山さんは、2005年度から昨年度まで20年近く県自然環境保全地域管理員として、地元・手ノ子の沼ノ口湿原に残る自然を守り続けてきた。

 同湿原は県内に5カ所ある県指定自然環境保全地域の一つ。約7ヘクタールには、ハッチョウトンボ、ミズゴケなど貴重な植物や昆虫が種類、量とも豊富に生息する。学術的価値も高く、動植物の採取など条例違反を防ぐための定期的な巡視や、歩道周辺の草刈りなどの環境整備に精を出した。

 管理員は父の故・清一さんから引き継いだ。受賞に「父から頼まれ、当たり前のことをしてきたが、この度の名誉は望外の喜び」とし、「今後も沼ノ口湿原を後世に残すために尽力し続けたい」と意気込んだ。

自然の大切さ感じてほしい

 山形大名誉教授の平さんは1985(昭和60)年4月に同大農学部に着任。2012年から、同学部教員らでつくる森林文化都市研究会長、鶴岡市自然学習交流館ほとりあを運営する庄内自然博物園構想推進協議会副会長などを務めている。

 研究会では市民を募り、森の中で穏やかな時を過ごすイベント「森のじかん」などを開催。協議会ではさまざまな自然環境学習を企画し、駆除した外来生物を食材に使うなどユニークな取り組みも展開している。

 「組織を代表して受賞した」と多くの支えに感謝しながら「山や川、海がある鶴岡は自然の豊かさを実感するのに適した場所。今後も子どもたちには自然の大切さを十分に感じて育ってもらいたい」と話した。

平智さん

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