【韓流】恋愛経験ゼロ男に訪れた突然の春!? 個性派名優ユ・ヘジン初のロマンチックコメディ映画『マイ・スイート・ハニー』〈インタビュー〉

『マイ・スイート・ハニー』丸の内ピカデリー他にて全国公開中(C) MINDMARK Inc. & MOVIEROCK ALL RIGHT RESERVED

『コンフィデンシャル』シリーズに代表される人情とユーモアをもちあわせるキャラクターから、『梟―フクロウ―』の悪役ぶりまで、作品ごとに独特の存在感を発揮してきた映画俳優ユ・ヘジン。

韓国を代表する名バイプレーヤー初のロマンチックコメディ映画『マイ・スイート・ハニー』が日本でも絶賛公開中だ。

今作でユ・ヘジンが演じるのは、他人との関係をうまく築けず、恋もしたことがない、極端に内向的な人物チホ。そんなチホが底抜けに明るいシングルマザーのイルヨンと出会い、さまざまな変化を見せていく。

共演は、1990年代から第一線で活躍を続ける国民的人気女優キム・ヒソン。近年では『再婚ゲーム』や『明日』など、復讐劇からアクションファンタジーまで、活動の幅を広げてきた彼女と、穏やかなミドルエイジの純愛に挑んだ。

不器用に、でもマイペースに生きるチホをとことん真面目に演じ、ときめきと切なさ、そしてあたたかい感動を生み出したユ・ヘジンのインタビューをお届けする。

■「『マイ・スイート・ハニー』は刺激的でない、本当に純粋な愛の物語。温かく純粋な物語という点が、この作品の最大の魅力です」(ユ・ヘジン)

――出演オファーを受けた際の気持ちと、最初に脚本を読んだ際の感想をお願いいたします。

『ワンドゥギ』という作品を観て、イ・ハン監督作に関心を持っていました。そんな中、『マイ・スイート・ハニー』のシナリオを受け取り、興味深く読みましたね。傷を抱えた男女のロマンスですが、ファン・スンウォンの小説『ソナギ(にわか雨)』を想起させるような純粋さもあり、おもしろかった。自然と微笑みが浮かぶような物語が心に染みたんだと思います。

――初挑戦のラブコメディですが、チホという役を演じるにあたって、役作りはどうのようにしましたか?

私は、物語に入り込むとキャラクターが自然とできてくるタイプです。変わり者で人付き合いが得手でないチホが恋に落ちて、ときめきと痛みを感じるのですが、初めて感じる感情にどう反応するのか考えているうちに、自然とキャラクターができていったんだと思います。

相手と手をつなぎたくてしょうがないのに、つなぐまでものすごくドキドキした記憶や、一緒にいて別れた途端また会いたい、そんな感情を思い起こしながら、チホを作り上げました。

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――演じるにあたって難しかった点・苦労した点は?

チホは極度にコミュニケーション能力に欠ける男です。だからこそ、イルヨンがチホを“なぜ”好きなのかという疑問を感じさせてはいけないと思いました。社会性はないけども、イルヨンが十分愛するに値するキャラクターにしないといけない。そのバランスを考えました。イルヨンが一目惚れするような、チホの純粋な魅力をどう表現するか、ずっと考えていました。

――監督から何か注文はありましたか?

作品の準備をしながら、演出するイ・ハン監督の実際の姿をいろいろ参考にしました。監督は本当に純粋で、まるでチホのような方なんです。だから、この映画が人間味の感じられる映画になったんだと思います。

――キム・ヒソンさんとの初共演は、いかがでしたか。

愛の物語なので、相手方の俳優との相性がとっても重要な作品でした。キム・ヒソンさんの性格の良さはよく聞いていましたが、現場で会ってみると、びっくりするぐらい、相手を居心地よくしてくれます。スタッフたちも、ミーアキャットみたいにいつもキム・ヒソンさんを待っていました(笑)。キム・ヒソンさんの明るいエネルギーのおかげで、私もいい影響をたくさん受けた気がします。

――キム・ヒソンさんとのシーンでもっとも印象的だったシーンは?

イルヨンとチホが別れる場面ですね。イルヨンが別れようと言って人波の中に入っていくシーンなんですが、撮影中、大泣きしてしまいました。モニターを見ながら、私も監督もヒソンさんも涙を流したのを覚えています。シナリオには「人波の中に消えていくイルヨンを見る」と書かれていたのですが、私がチホになって考えてみると、その感情はただ眺めているのでは収まらず、座り込みました。純粋な愛を感じた場面でした。

――その他に印象に残っているシーンを教えてください。

ドライブインシアターでの撮影場面は、NGが何度も出たんですが、笑いながら楽しく撮影した記憶があります。肌の露出は避けたいほうなのですが、この場面では私がちょっと積極的にアイデアを出しました。チホのような純粋な人が慌てふためく姿を見せるとおもしろいだろうと思ったんです。ズボンが脱げて慌てるチホの姿がうまく撮れたと思います(笑)。

――本作ならではの魅力は何だと思われますか?

『マイ・スイート・ハニー』は刺激的でない、本当に純粋な愛の物語を描いた映画です。日本の観客の皆さんも見て共感できる、温かく純粋な物語という点が、この作品の最大の魅力だと思います。

●ユ・ヘジン Profile

1970年1月4日生まれ。1980年代より舞台俳優としてキャリアをスタート。1997年映画『ブラックジャック』で映像デビュー。2005年の『王の男』で、大鐘賞の助演男優賞を獲得後は、映画祭の常連俳優に。ユーモアを感じさせるキャラクターで人気を獲得する。主な出演作として『ベテラン』(2014年)、『コンフィデンシャル/共助』(2016年)『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年)、『マルモイ ことばあつめ』(2019年)、『コンフィデンシャル:国際共助捜査』(2022年)、『梟ーフクロウ―』(2023年)など。また、盟友チャ・スンウォンと共演した『三食ごはん』シリーズなど、バラエティ番組でも活躍する。

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『マイ・スイート・ハニー』丸の内ピカデリー他にて全国公開中。(C) MINDMARK Inc. & MOVIEROCK ALL RIGHT RESERVED

●『マイ・スイート・ハニー』ストーリー

天才的な味覚をもち、数々のヒット商品を手がける製菓会社の研究員チホ(ユ・ヘジン)は、毎日ルーティン通りの味気ない生活を送る45歳独身だ。一方、信販会社に就職した41歳のシングルマザー、イルヨン(キム・ヒソン)は、殺伐とした窓口業務中に見かけたチホの優しい姿に好意を抱く。

その後、ひょんなことからチホが栄養失調だと知ったイルヨンは、半ば強引に「食べ友」になることを提案。やがて距離を縮めていく2人だが、チホの兄ソクホ(チャ・インピョ)はイルヨンの存在が気に入らず、イルヨンの娘ジンジュ(チョン・ダウン)も反発するようになる。

●公開情報

『マイ・スイート・ハニー』丸の内ピカデリー他にて全国公開中

[2023/韓国/118分]監督:イ・ハン 『無垢なる証人』『ワンドゥギ』 脚本:イ・ビョンホン 『エクストリーム・ジョブ』(監督)、『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』(演出)

出演:ユ・ヘジン 『梟ーフクロウー』『コンフィデンシャル』シリーズ、キム・ヒソン 『再婚ゲーム』『明日』『品位のある彼女』、チャ・インピョ『月桂樹洋服店の紳士たち』、チン・ソンギュ『悪の心を読む者たち』、ハン・ソナ『酒飲みな都会の女たち』、チョン・ダウン『青春ウォルダム〜運命を乗り越えて〜』

提供:楽天 配給:松竹

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