V長崎 6連勝ならず 秋田とドロー 11試合負けなしで2位

 明治安田J2第13節(3日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=10試合)V・ファーレン長崎は秋田と2-2で引き分けた。クラブ史上初の6連勝はならなかったが、リーグ戦11試合負けなしで通算8勝4分け1敗の勝ち点28。順位は2位のまま、首位清水との勝ち点差は3に広がった。

【V長崎―秋田】後半28分、V長崎のマルコス(左)がゴールを決める=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 V長崎は前半25分、CKの流れからオウンゴールで先制を許した。0-1の後半10分にエジガルジュニオと笠柳、20分にマルコスと山田を投入。選手交代で攻撃のリズムを変えると、28分にエジガルジュニオの縦パスからマルコスが抜け出して同点ゴールを決めた。3分後にエジガルジュニオが今季8点目を決めて2-1と逆転したが、36分に追いつかれた。
 首位清水は栃木を4-1で下し、5連勝で勝ち点31。岡山は山形と2-2で引き分けて4位に後退した。水戸を2-0で下した横浜FCが3位に浮上。群馬は藤枝に1-2で敗れて6試合勝ちなし。
 第14節は6日、各地で10試合が行われ、V長崎は午後2時から大分市のレゾナックドーム大分で9位大分と対戦する。

◎勝ち点1「ポジティブに」
 V・ファーレン長崎は、クラブ史上初の6連勝にあと一歩届かなかった。一時は逆転して、勝利が見えた中で再び失点。下平監督は悔しさをにじませながらも「負けなかったことはポジティブ」と積み上げた勝ち点1をプラスに捉えた。
 連勝中は先発をほぼ固定してきた。しかし今節は、開幕から全試合に出場していた中盤の底の秋野や、7得点と好調だったマテウスが体調不良でメンバー外に。先発4人を入れ替えたことで、わずかに歯車が狂った。
 DFラインからボールをつないで攻撃を組み立てたいV長崎だったが、攻守の要である秋野の欠場でいつも通りにはいかない。相手のハイプレスをいなせず、ロングボールを多用する秋田と同じ土俵に乗ってしまった。前半のオウンゴールは不運だったとはいえ、秋田のフィジカルと高さに屈した形だった。

【V長崎―秋田】後半5分、V長崎の米田(左)が秋田の畑と競り合う=トラスタ

 それでも巻き返せるのが今季の強み。途中出場のブラジル人2人が苦しい状況を打開した。まずは後半28分。「外から見ていて背後が狙えると思っていた」というマルコスがDFの裏へ抜け出すと、エジガルジュニオが絶妙な縦パス。マルコスはGKとの1対1を冷静に流し込んだ。3分後にはエジガルジュニオがリーグ単独トップとなる通算8ゴール目で逆転。今季最多1万3537人が埋めたスタンドを熱狂させた。
 悔しいドローで連勝は途切れたが、選手たちはすぐに気持ちを切り替えた。秋野に代わってキャプテンマークを巻いた米田は「もう一度、ハングリーさを持って大分との九州ダービーは勝ちにこだわる」と前を向く。
 勢いは止めない。

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