雫石・元祖軽トラ市、5日開幕 20年の節目、手法が全国へ拡大

雫石町の中心商店街で開かれた第1回軽トラ市=2005年7月

 雫石町の元祖軽トラ市は今年、20年の節目を迎える。中心商店街のにぎわいを取り戻そうと全国に先駆けて始まり、通算128回で訪れた人は延べ44万人に上る。荷台に自慢の農産物や食品を並べる対面販売とあちこちで生まれる交流が注目を集め、北は北海道、南は沖縄まで全国100カ所以上に拡大。人口約1万5千人の小さな町のユニークな挑戦が、大きなうねりとなった。今年は5日にスタートし、活性化への道をひた走る。

 軽トラ市は、人通りが減ったよしゃれ通り商店街の活気を取り戻そうと雫石商工会が2005年7月に始めた。東日本大震災が発生した11年も継続し、沿岸部の業者を温かく迎えて復興へ心を一つにした。新型コロナウイルス禍も最小限の中止で乗り切った。年5~8回開催し、町内外からの出店台数は延べ6600台を超える。

 5日の元祖軽トラ市は午前9時、来場者が一斉にクラッカーを鳴らして開幕する。商店街の約500メートル区間で約60台が農産物や食品、雑貨を販売。11月まで計7回開くほか、7月20日は節目を記念して初の夕市(午後3~7時)を企画する。

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