聖愛高(青森・弘前市)女子野球部 創部から3年目 目指すは全国頂点

はつらつとした笑顔を見せながら打撃練習をする部員ら=4月30日、聖愛高校のグラウンド
全国選手権での優勝に意欲を見せる聖愛高校女子野球部の部員ら

 弘前学院聖愛高校(青森県弘前市)の女子野球部が創部から3年目を迎えた。高校の女子硬式野球部として県内唯一の存在だ。地元の女子選手の受け皿として年々知名度は上がり、1~3年生21人がはつらつとしたプレーをグラウンドで見せている。昨年は創部2年目で全国選手権(7月・兵庫県)に初出場しベスト16入り。部長で投手の山内美那海さん(3年)=板柳町出身=は「今年は優勝を目指したい」と意欲を燃やす。

 4月30日夕方、小雨が降る中、同校野球場で部員たちは金属バットを振り、快音を響かせていた。

 この日の練習メニューは長打力を養う打撃練習と、早い試合展開の中で判断力を養う実戦練習。楽しく全力でプレーすることを大切に、山内開登監督(27)の厳しい言葉を全身で受け止めながら一人一人が積極的に声を出していた。

 投手の原田愛望(あみ)さん(3年)=むつ市出身=は「勝ち負け以上に、楽しむことを忘れずにできるのが女子野球のいいところ」と話す。

 同部は女子野球人気の高まりを受け、2022年4月に創部した。山内さん、原田さんら5人でスタートを切った。初年度は人数が足りずに大会に出られなかったが、山内さんを中心に「3年目で日本一になる」と目標を決め、地道な練習を続けてきた。

 小中学生対象の女子野球教室を開いたり、交流サイト(SNS)で活動状況を発信したりしてPRにも力を入れた。7人が入部した昨年度は選手権で2勝を挙げることができた。

 山内さんは2年前を振り返り「人数がそろわず最後まで試合に出られないのではないかと思った時もあったが、その不安は消えた。今は部員全員をまとめるのが大変になった」とうれしい悩みを口にして笑った。

 3年生にとって、昨年ベスト16を果たした選手権が集大成となる。「本気で上を目指していけるチーム。全国で活躍し、県内で女子野球をメジャーにしたい」

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