「非常に感謝しています」秋葉忠宏監督が今季最多の観客動員を記録した栃木戦に興奮「街を上げて戦えている」【清水】

[J2第13節]清水 4-1 栃木/5月3日/IAIスタジアム日本平

「1万7400人! 素晴らしい!!」

記者会見室に入るいなや、指揮官が興奮気味に喜びを露わにした。

5月3日、清水エスパルスはJ2第13節で栃木SCと対戦し、4-1で勝利した。

ゴールデンウィークでの開催ということもあり、本拠地“アイスタ”には今季最多の1万7400人が来場。オレンジ色で隙間なく埋まった凄まじい雰囲気のスタンドから送られる声援を背に、ホームチームは試合開始早々から躍動した。

開始5分、CKの流れから矢島慎也がコントロールショットを決めると、8分にルーカス・ブラガが追加点をゲット。24分に一瞬の隙を突かれて失点を許すも、前半を2-1で終える。

後半の立ち上がりこそ、相手に押し込まれる時間帯はあったが、70分の選手交代(北川航也→ドウグラス・タンキ、矢島慎也→松崎快)をきっかけに再び攻勢を強める。79分、敵陣深くでインターセプトした山原怜音が左足を振り抜き、3点目をマーク。さらに87分、松崎快がカルリーニョス・ジュニオとのワンツーで相手の背後を取り、ダメ押しのゴールを決め、4発での快勝を収めた。

清水の秋葉忠宏監督は、何よりも先にサポーターへの感謝を口にした。

「ゴールデンウィークのなか、このアイスタに来ていただいたサポーターファミリーの熱量、空気感が今日のようなエキサイティングでアグレッシブなゲームを生み出してくれました。非常に感謝していますし、一体感と団結力を持って、街を上げて戦えている実感を持てています。ただ、まだまだ何も勝ち取っていませんから、最後、38節が終わって、優勝に結び付けられるように、気を引き締めてやっていきたいと思います」

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一方、大量得点での勝利のなかでも、反省点もあったという。

「2-0までは問題なかったのですが、そこから悪い癖が出た。前に出ない、背後を狙わない。後ろ向きになってしまい、相手のプレスを助長してしまいました。3点、4点目を取って、相手を仕留めてからそういった流れに持って行くなら良いのですが、2点目を取ったあとの進め方、ペースダウンしてしまう点は、反省点です。今、勝てているうちにしっかりと修正して、次につなげたいです」

課題も見えたゲームではあったが、今節の栃木戦で清水は5連勝を達成し、首位をキープ。チームとして好調を維持できているのは間違いない。秋葉監督も手応えを感じている。

「パーフェクトなゲームでないにもかかわらず、連勝できている。我々にはまだまだ成長の余地があるなかで、勝てているということです。先ほども言いましたが、勝ち続けながら、課題に向き合っていきたい。

ただ、たったひとつでも、自分たちが崩れるとか、隙を見せるだけで、連勝は途切れてしまう。ここまで5つ、自分たちで積み重ねてきたわけですから、それを自分たちで手放すことのないようにしたい。また中2日で試合が来ます。最高の準備をして、臨みたいです」

清水は次節、5月6日の14時から敵地でザスパ群馬と対戦する。秋葉監督にとっては自身のJ2通算100勝目がかかる一戦へ向けて、指揮官はチームに何を伝え、どんな準備をするのか。

4月20日のベガルタ仙台戦から、ルヴァンカップ2回戦のカターレ富山戦を含めて中2~3日で戦ってきた過密日程での5連戦の最後を、白星で締め括りたい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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