ネリ、グラサン&ガム噛みの異例会見 ふてぶてしく宣言「死を覚悟して挑む。イノウエに必ずKOで勝つ」

横浜市内の会見にサングラスをかけて出席したルイス・ネリ【写真:荒川祐史】

Amazon プライム・ビデオで独占生配信

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦12回戦が6日、東京ドームで行われる。4日は神奈川・横浜市内で会見が開かれ、メインイベントの王者・井上尚弥(大橋)と元世界2階級制覇王者の挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)らが出席。34年ぶりの東京Dボクシング興行へ、心境やコンディションなどを明かした。“悪童”の名高いネリは会見中、サングラスを装着してガムを噛みながら答える異例の対応。井上とはフォトセッション後に固く握手を交わして別れた。戦績は31歳の井上が26勝(23KO)、29歳のネリが35勝(27KO)1敗。

ふてぶてしさを感じさせた。全身黒ずくめのいかつい装いで登壇したネリ。サングラスを装着し、その視線は分からない。ガムをくちゃくちゃと噛み、選手たちは名前を紹介されると立ち上がって挨拶したが、ネリだけは微動だにせず座ったままだった。

「メンタル面ではこの試合が決まってからとても充実した日々を送っている。完全にメンタルはできている。練習も完璧にやってきた。体重はもうリミット内だ。だから問題ない。練習は成功している」

心配された減量面は問題なしを主張。日本のファンに向けて「俺はメキシカンボクサーとしての雄姿を見せたい。死を覚悟して戦いに挑む。勝者になると確信している。イノウエと戦うことがどういうことかわかっている。必ずKOで勝つ」と宣言した。

ネリは2017年8月の山中慎介戦の薬物検査で陽性反応。18年3月の再戦は大幅な体重超過でWBC世界バンタム級王座を剥奪された。ともに勝利したが、日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分に。海外でリング復帰し、20年9月にスーパーバンタム級で世界2階級制覇。今年2月、ネリと陣営はJBCに謝罪と資格回復を求める書面を提出。規定に基づき、処分が解除された。

WBC規定で事前計量が設けられ、試合30日前がリミット55.3キロの10%(60.83キロ)、15日前が5%(58.065キロ)、7日前が3%(56.959キロ)が上限。井上、ネリともに全てパスし、ドーピング検査でも陽性はなかった。

数々の問題行動から「悪童」と呼ばれるネリが日本で試合をするのは、山中戦以来6年2か月ぶりとなる。1990年のマイク・タイソン―ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶりの東京Dボクシング興行。日本人がメインイベントを務めるのは初めてだ。

ネリは井上の印象について問われ「とても良い選手だと思う。長年、この試合を待っていた。俺は誰と戦うか、イノウエがどんな選手かわかっている。俺と同じ戦士だ。だから100%素晴らしい試合をしたい」と意気込んでいる。

○…Amazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上―ネリ戦のほか、元K-1王者・武居由樹(大橋)がWBO世界バンタム級王者ジェイソン・マロニー(豪州)に世界初挑戦。井上の弟のWBA世界同級王者・拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)と2度目の防衛戦を行う。WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位・桑原拓(大橋)と初防衛戦。同じ興行で世界戦4試合は国内史上最多となる。

THE ANSWER編集部

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