『ロマサガ3』『マリオRPG』…本編だけじゃない「ミニゲーム」も面白かった「スーファミ名作ゲーム」

「本体4000円オフ」のチケットもついていたスーファミ版『スーパーマリオRPG』(C)Nintendo

2月29日に発売となった『ファイナルファンタジーVII リバース』(スクウェア・エニックス)では「ピアノ演奏」や「チョコボレース」、そして原作にはなかった新カードゲーム「クイーンズ・ブラッド」などなど、多数のミニゲームが盛り込まれていることも話題となった。本編だけでも大ボリュームであるにも関わらず、こうしたミニゲームの充実が、いつまでも作品世界に没入させてくれるもの。

同作は1997年にプレイステーション用ゲームとして発売された『ファイナルファンタジーVII』のリメイク作品だが、容量が大幅に増えるゲーム機の進化にあわせ、こうした「ミニゲーム」も増えていった。それはファミコン時代から一気に表現技術が進化した「スーパーファミコン」でも顕著だった。

そこで今回は、そんなミニゲームが充実しているスーファミゲームの中から、ミニゲームの質、量、そして本編の面白さと、すべて兼ね備えた名作ゲームを3つ振り返りたい。

■世界の物件を買い占める『ロマンシング サ・ガ3』

スクウェア(現:スクウェア・エニックス)から発売された『ロマンシング サ・ガ』シリーズは、複数の主人公から1人を選んで物語を始め、世界各地を回りパーティを強化しながら目的を達成するRPGだ。バトルがユニークで、戦闘中に確率で技を覚える「ひらめき」システムを採用。レベル制ではなく、戦闘中の行動や、戦闘回数によって、味方も敵も強化されていく戦闘システムが特徴的なシリーズだ。

1995年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『ロマンシング サ・ガ3』では、そういったユニークなシステムがブラッシュアップされ、より完成度が高くなっているが、ミニゲームも独特なものだった。

まずは、会社経営ミニゲーム「トレード」。これは主人公の一人であるトーマスがいるときに遊べるミニゲームで、物件を買収したりしながら自分の会社をどんどん大きくしていくのが目的。技を駆使してうまく相手のグループを買収し……ミニゲームのつもりが気づいたら数時間没頭していたなんてことも珍しくない。

また「マスコンバット」も奥が深いミニゲーム。これは数千人規模の兵士を操り、敵軍団と戦う軍事シミュレーションで、「モラル(士気)」のゲージや陣形、戦術など重要な要素が多数あり、特定のパターンだけでは勝利が難しい作りとなっている。トレードと合わせて、本編に匹敵するほどのやり込み甲斐があるミニゲームだ。

他にも命令だけで戦う「コマンダーモード」や、1対1の勝ち抜き戦である「ツヴァイクトーナメント」なども、本筋に連動しつつ、別のゲーム性を楽しめるミニゲームと言ってもいいだろう。基本的には決まった道順がなく、“自由さ”が魅力のひとつである『ロマサガ』シリーズ。本編から横道にはずれ、何時間も没頭してしまうミニゲームが用意されているのも本シリーズの作風にピッタリだ。

■ハイスコアを狙え!『スーパーマリオRPG』

2023年11月に、Nintendo Switchでリメイクが発売された『スーパーマリオRPG』も、本編とミニゲームのどちらも完成度が高い作品としてスーファミ時代から評価が高い一本だ。

任天堂とスクウェアによって共同開発された同作は、ターン制RPGをベースに、『マリオ』のアクション要素も加わった個性的なタイトルで、ミニゲームもこれでもかというほどたっぷりと収録。

「ワイン川くだり」や「ブッキー坂」「パタパ隊の崖登り」などは、アクション要素が強めのミニゲームになっている。ハイスコアを狙うとかなりシビアになるがちょうど良い難易度で、ストーリーの邪魔をすることなく、アクションゲーム好きを唸らせるクオリティとなっている。

「ばくれつカブトムシ」は、甲羅が連鎖して爆裂するときの破裂音と1UP音が心地よく、ハイスコアもガンガン上がり爽快感が味わえる。ハイスコアを取っても本編に何も影響しないものの、つい時間を忘れて没頭してしまう名作ミニゲームだ。

他にも本編の戦闘と兼ねることができる「スーパージャンプ」の100回チャレンジや、1度しか遊べない「結婚式の王冠」といったミニゲームも合わせると、その数は20種類ほどある。

■『タイムパイロット』もできる異色作『がんばれゴエモン きらきら道中』

シリーズのほとんどがミニゲームの宝庫であるコナミの『がんばれゴエモン』シリーズ。今回は、その中でも特にミニゲームが熱かった1995年12月発売のシリーズ第4作目『がんばれゴエモン きらきら道中 僕がダンサーになった理由』を振り返りたい。

『きらきら道中』はそれぞれのキャラクターパートがあったり、また物語や世界観がシュールギャグ的なものだったりと、シリーズの中でも異色の作り。そしてボス戦がいつものロボ戦ではなくミニゲームになっており、各ステージのボスの数と同じ5本のミニゲームと、隠しミニゲーム1本の、合わせて6本が用意されている。それぞれジャンルが違っていて、かつゲーム性も高い良作ばかりだ。

たとえば「ふすまのぞきクイズ合戦」は、ふすまの向こうに横切る物体が何かを当てるクイズゲームで、ミカンとユズ、ヒトデとホシといった紛らわしい物や、謎のオヤジが出てきたりする。なので、他にどんな物が登場するのだろうと、ついつい何回もやりたくなってしまう。

隠しミニゲームである「タイムパイロット」は、1982年に発売されたコナミのシューティングゲーム『タイムパイロット』のアレンジバージョン。ゲーム性はほぼそのままに、グラフィックがスーファミ仕様にアップデートされている。こちらもやり込み甲斐と中毒性が高く、何度もチャレンジしてしまう。

「タイムパイロット」には本作限定のラスボスが控えているのも必見だ。隠しミニゲームの限定ラスボスという存在は、かなりレアだろう。

この記事で紹介した3作品は、どれも本編そっちのけでハマれるミニゲームが多数収録されている。もちろん本編のほうも、ちゃんと面白い作りとなっているのが好印象である。

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