ビニール袋と紙袋、エコなのはどっちか―独メディア

独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「紙袋がプラスチック袋より環境に優しいとは限らない」とする文章を掲載した。

独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトはこのほど、「紙袋がプラスチック袋より環境に優しいとは限らない」とする記事を掲載した。

記事は、多くの消費者が紙包装についてプラスチックよりも環境に優しいと考えており、プラスチックに比べてリサイクルしやすいのは事実であるとする一方で「だからといって紙が環境コストを伴わないということにはならない」と指摘した。

そして、国際エネルギー機関(IEA)によれば、22年に世界の工業による温室ガス排出量の2%足らずだった紙パルプ産業の温室効果ガス排出量は、プラスチック包装から紙包装へのシフトに伴う紙の生産増によって30年にはさらに増加すると予想されていると紹介。また、原料のパルプを生産するための森林破壊による影響や、プラスチックよりも重い紙包装を輸送する際のトラックによる温室効果ガス排出量増加、耐熱性を持たせるためにビニールでコーティングされた紙コップの出現などの問題を抱えているとした。

また、紙はリサイクル原料からも容易に再生することができるものの、リサイクルされた紙製品の品質は元の製品よりもはるかに低く、インクや化学汚染物質などの不純物を含んでいることもあると指摘した。

記事は「あらゆる要素を考慮すると、環境への配慮という点で紙がプラスチックより優れている、あるいはプラスチックが紙より優れていると断言するのは難しい」とした上で、専門家が「紙とプラスチックのどちらを選ぶかで悩むよりも、ガラス瓶のように繰り返し使える包装を選ぶべきだ。ベストなのは、使用する物をできる限り減らすことなのだから」と提言していることを紹介した。(翻訳・編集/川尻)

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