不動産会社の女性経営者が教える! プロがこっそり本音を漏らした「ふたり暮らしするなら避けたいNG間取り」

不動産会社の女性経営者が教える! プロがこっそり本音を漏らした「ふたり暮らしには選ばない方がいい間取り」

【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.54

――友人や恋人となど、”ふたり暮らし”を始める際に避けた方がいい物件や間取りを教えてください!

NG1.「ワンルーム物件」

平出さん ワンルームを選ぶことで家賃が抑えられるメリットはあるものの、ふたり暮らしのワンルームはできればやめておいた方がいいです。カップルの場合、付き合いたての頃はラブラブで『ワンルームでもいい!』と思う人もいるもしれませんが、学生であれば勉強の時間も必要ですし、社会人であれば生活時間が異なってきます。部屋数は1つではない方が、喧嘩をしたときに違う部屋で過ごすことで冷静になれたりしますし、同居人が視界に入っているだけでイライラしてしまう…、ということを避けられます。

NG2.「縦長の2DK」

平出さん ふたり暮らしの場合、2DKの部屋を希望する人は多いですが、2DKでも縦長のカタチ(玄関を入ってすぐにキッチン、その奥に2つ縦長に部屋がある)の物件はおすすめできません。真ん中の部屋が奥の部屋に入る動線になるため、真ん中の部屋が自分の部屋になってしまうと落ち着かないと思います。できれば、真ん中にキッチンとバストイレがあって、その両隣に部屋が振り分けられているタイプですといいのですが、どちらかの部屋が日当たりが悪くなる場合もありますし、物件数としては少ないです。2DKでも、キッチンの先に部屋が横に並んでいるタイプは部屋の窓の方角が同じなので、ふたり暮らしをするなら使いやすい間取りだと思います。

NG3.「キッチンが狭い間取り」

平出さん どちらかが料理をする場合は、2口又は3口コンロで、広めのキッチンがある物件がおすすめ。自炊で2人分の食事を作るとなると、一口コンロでは不便に感じてしまう人は多いと思います。ふたり暮らしであれば自炊をしても食材が無駄になることが少ないですし、自炊をすることで生活費の節約にもなりますので自炊をするメリットは多いです。

NG4.「3点ユニットバスの物件」

平出さん ふたり暮らしを始めるなら、できればバストイレ別の3点ユニットバス物件を選んだ方がいいです。家賃の兼ね合いからトイレバスが同じ空間にある2点ユニットバスを選んだものの、ひとりがトイレを使っているときに浴室を使えないことを不便に感じて後悔してしまった人も。また、独立洗面台があれば、コスメやスキンケア類を収納箇所に1か所にまとめることができて快適だと思います。

――平出さんがこれからふたり暮らしを始めるなら、”これだけは最初に絶対に決めておく”ということはありますか?

平出さん ふたり暮らしを解消して、ひとりになった場合のことを想定しておきます。万が一のことも考えて、すぐに動けるように引っ越しの初期費用の確保もしておいた方がいいです。私は以前、同棲をして別れた際にそこに住み続けることになったのですが、別れた後の生活を想定していなかったために、家賃が高くて生活費のやりくりが大変でした。恋人と住む場合、家賃や生活費の支払いが、相手の負担になっていないかを考えた上でお互い納得のいく割り振りを決めておくといいです。友人でも恋人でも、お金のトラブルは避けたいですからね。最初に話合いをしてルールを決めることは大切だと思います。

――最後に、ふたり暮らしを始める人に向けてアドバイスをお願いします!

平出さん 今はリモートワークをする人も多いですから、仕事のスペースをお互い確保できるかも重要ですし、どちらかがゲームや映画が好きな場合は、寝室にテレビやパソコンがあるともうひとりが眠れないという場合もありますよね。そのため、お互いの生活スタイルや趣味を尊重しながら物件を選ぶことを大切にしてください。

同棲して別れてしまった私の友人カップルは、ふたりでお金を出し合って買った家具や家電をどっちが持って行くかで最後まで揉めていました。ペットを飼っている場合はどっちが連れていくか問題もあります…。もしも別々で住むことになったときのための話を事前にしておくか、逆に別れるときは全部譲るくらいの余裕の精神力も必要かなと思います。

また、兄弟姉妹でのルームシェアは賛成です。私自身も姉とふたり暮らしをした経験があるのですが、生活習慣や家のルールが把握できているため、トラブルも少ないですし何かあったときに相談をできたりと心強いです。ルームシェアはいつかは終わりがあるものだと思うので、どちらか一方の負担にならないよう、期間やルールを決めてから始めるといいです。友人でも恋人でも姉妹でも、他人と同居するのは貴重な経験になると思いますので、いい物件を選んで楽しいふたり暮らしを過ごしてほしいなと思います。


楽しいふたり暮らしを始めるために知っておこう

いかがでしたか。物件探しは賢く丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。

教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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