奈良時代の装束で万葉行列、400人が巡行 福井県越前市、多くの恋の歌残した中臣宅守らに扮し

奈良時代の装束で味真野地区を練り歩いた「万葉行列」=5月4日、福井県越前市池泉町

 万葉集ゆかりの福井県越前市味真野地区を奈良時代の装束で練り歩く、恒例の「万葉行列」が5月4日、市万葉の里味真野苑周辺で行われた。青空の下、地元住民ら約400人が列をなし、歴史と文化に思いをはせた。

 同地区や味真野観光協会が主催する「第42回あじまの万葉まつり」の一環。今年は味真野小から味真野苑まで約700メートルを巡行した。

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 法被姿の子どもたちに続き、文官や武人、女官など奈良時代の官職の衣装に身を包んだ住民らがぞろぞろと行進。“お役人”たちが引く山車には、味真野を舞台に情熱の恋の歌を数多く残した中臣宅守(なかとみのやかもり)と妻・狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)に扮(ふん)した万葉中の生徒が座り、観客の注目を集めていた。

 狭野弟上娘子役を務めた地元の女子中学生は「自分が自分じゃないみたいでとても楽しかった。味真野のことをたくさんの人に知ってもらうきっかけになればうれしい」と笑顔を見せた。

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