セナがいた、プロストが走った!『ホンダF1プロジェクトチーム』第2期の栄光と技術挑戦

1987年F1オーストリアGP、ウイリアムズ・ホンダ FW11Bのマンセル#5とピケ#6

一度活動を休止したホンダが1983年から再びF1に挑んだ、第2期の活動を詳細に描いた書籍『ホンダF1プロジェクトチーム』が、三樹書房から発売された。

この時代、ホンダはアイルトン・セナやアラン・プロストといった一流ドライバーと共に、マクラーレンチームとの協力のもと、コンストラクターズタイトルを6年連続で獲得するなど、輝かしい記録を残した。

桂木洋二著の本書は、自然吸気3.5リッターエンジンが主流だった時代のホンダF1プロジェクトチームの技術的挑戦を中心に、関係者の証言や資料を基にした技術開発史としてまとめられている。巻頭には当時の貴重な写真が収録され、巻末には戦績なども記載されており、史料としての価値も高い。

本書は、マクラーレンとのコンセプト会議から始まり、新エンジン構想、技術的進化、そして鈴鹿でのセナのチャンピオン決定など、当時のF1シーンを彩ったエピソードが綴られている。また、ニューV12エンジンの開発テストやアクティブサスペンションの開発プロセスなど、技術面での詳細な記述も含まれている。

ホンダがF1から撤退を報じられた背景や、その後のウィリアムズチームの勝利に至るまでの流れも記されており、ファンならずとも興味深い内容となっている。最後の日本グランプリでの様子や、ホンダがF1で残した71勝という記録など、感慨深いエピソードも収められている。

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