鉄道ファンの思い形に CFで資金募り「鉄見デッキ」完成 上越市長浜の市道沿い

鉄見デッキからは通過するトキ鉄の車両を見下ろすように写真が撮影できる

海と踏切、鉄道を1枚の写真に収めることができる「鉄見(てつみ)デッキ」がこのほど、上越市長浜の市道沿いに完成した。3日、お披露目式が行われた。無料で一般市民に開放する。

デッキは「身近に鉄道がある風景を残したい」との思いで活動する市民有志「上越リアル鉄道博物館プロジェクト」が全国にクラウドファンディングで設置資金を募り、約170万円を集めて設置した。

設置場所は趣旨に賛同した長浜町内会が地権者に声をかけて確保した。デッキは高さが2メートル以上ある木製で、正面には阿比多神社の鳥居と踏切、背伸びすれば日本海を望むことができる。同プロジェクトの佐藤大悟代表は「プロジェクトを受け入れてくれた長浜町内会に感謝している」と述べた。

デッキ周辺の線路はほぼ直線で、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの列車や日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物列車などが通る。クラウドファンディングの参加者は「一部のマナーの悪い撮り鉄(鉄道写真愛好家)の行為が目立ったり、〝映えスポット〟でオーバーツーリズムになったりする場所が相次いでいる。鉄見デッキはそうした問題を解決する取り組みになると期待している」と話した。

長浜町内会の坪田剛会長は「地域住民は当初、鉄見デッキについて半信半疑だったが、工事が始まり出来上がるにつれて関心が高まった。地域の元気づけの一助になればいい」と話していた。

鉄見デッキは国道8号と並行する市道沿い。谷浜駅から糸魚川方向へ約1キロ。駐車場は長浜会館駐車場を利用する。

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