最終回は本当にあるの? 『ガラスの仮面』だけじゃない…未完結の名作漫画4選

ガラスの仮面1【画像:(C)美内すずえ/白泉社】

数十年におよぶ長い連載期間、多くのファンに愛される名作とは

漫画というものは基本的にいつかは最終回を迎え、作品が完結するものである。しかし中には、長く連載が続いていてもいまだに最終回を迎える気配のない長寿漫画も存在する。今回は“名作漫画”と呼ばれるジャンルの中から、未完結の作品を紹介しよう。

最初に紹介するのは、名作少女漫画として多くの読者から支持されている『ガラスの仮面』(作:美内すずえ)である。1976年から連載が開始された同作は、類まれなる演技の才能を持った少女・北島マヤと、そのライバルである演劇界のサラブレッド・姫川亜弓が、伝説の名作『紅天女』のヒロインの座を巡り火花を散らすというストーリーだ。

同作はアニメ化に実写ドラマ化、さらには舞台化もされ、世代を超えて多くの読者に愛されている。しかし『ガラスの仮面』の掲載誌である『別冊花とゆめ』(白泉社)が2018年に休刊し、SNS上では多くのファンから同作が未完結のまま終わることを危惧するコメントが投稿されていた。

そんな中、18年5月26日に作者・美内すずえ氏が投稿した公式Xでは「雑誌連載の方向性が決まれば、またお知らせします。ただ『ガラスの仮面』は、必ず最終巻まで描き上げます」というコメントが残されている。美内氏の思いを信じて今後の動きに期待したい。

続いて紹介するのは、1978年から『花とゆめ』(白泉社)で連載されている『パタリロ!』(作:魔夜峰央)だ。刊行されたコミックスは100巻以上にわたるが、現在も白泉社が運営する漫画アプリ『マンガPark』にて連載が続いているため、完結はまだまだ先だと考えられる。

78年の連載開始から45年を迎えた『パタリロ!』には長年のファンも多く、SNS上では「読者には好きな作品をずっと読み続けていたいという欲があるから、連載を続けている『パタリロ!』はすごい」「世界一完結してほしくない漫画」などの声が挙がっている。

少女漫画だけでなく、青年向け漫画にも「実は完結していない名作」が存在する。『モーニング』(講談社)で連載中の『クッキングパパ』(作:うえやまとち)は、なんとコミックスが167巻まで刊行されている長寿漫画である。

85年の連載開始当初、主人公・荒岩一味の息子であるまことは、7歳の小学2年生だった。連載開始から40年近くがたった現在、まことはレストランで働く社会人に。中学生になったまことの妹・みゆきやまことの親友・みつぐなど、おなじみのキャラクターの成長を楽しみにしているファンも多いだろう。

かくいう筆者も同作を楽しみにしているファンのひとりだ。一味が働く金丸産業の同僚たちの恋模様や、まことが恋人のさなえと愛を育んでいる様子をほほ笑ましく見守っており、もはや荒岩家の親戚のような心境である。

最後に紹介するのは『ビッグコミック』(小学館)にて連載中の『ゴルゴ13』(作:さいとう・たかを)だ。国籍・年齢・本名すべてが不明のスナイパーが活躍する同作は、68年から50年以上にわたり連載を続けている。

作者のさいとう・たかをさんは2021年に亡くなったものの、彼が生前確立した脚本やコマ割り、作画などを分業するシステムにより、現在も連載が続いている。『ゴルゴ13』が作者の死後も続いていることに、ネット上では驚きの声があがっていた。

名作漫画の完結は見届けたいものの、終わってしまうのも寂しいという複雑な気持ちになってしまう作品ばかりである。長期休載している作品もあることから、今後の動向から目が離せない。カキMONO.1

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