「たいしたことはない。特別に足が速いわけでもヘディングが強いわけでもない」柏戦で活躍したアタッカーについて最初は意外な反応だった昌子源。しかし...【町田】

2024年5月3日にFC町田ゼルビアが柏レイソルを2-0で破った試合、躍動したのは町田の47番、荒木駿太だ。今季リーグ戦初スタメンのアタッカーは2トップの一角を任されると、鋭い飛び出しと果敢なチェイシングで存在感を示す。

そして9分に見事なお膳立てからオ・セフンの先制弾をアシストし、さらに69分にはナ・サンホのクロスにヘッドで合わせて貴重な追加点を奪った。試合後、1ゴール・1アシストと活躍した荒木は次のようなコメントを残している。

「U-23代表の試合はチェックしていて、とても刺激を受けました。彼ら(藤尾翔太と平河悠)がいなくても勝てることを証明して、ふたりには申し訳ないけど戻ってきてもポジションはないぞ、そんな気持ちでやってきました」

そんな荒木について、「たいしたことはない」と意外な反応を示したのが昌子源だ。

「特別に足が速いわけでもヘディングが強いわけでもない」

それでも昌子源は「でも」と続ける。

「相手の嫌なことを分かっている。1点目のクイックなんて、あいつひとりの個人プレーですよ。得点シーン以外にも何回もロングスローで裏に抜けたり、あれだけで相手のラインは瞬間的に下がるので、ああいうのがあいつの良さかな。みんなから愛されているキャラで、良い選手ですよね。翔太も、悠も帰ってくるし、ここで奮起しないといけないという想いでやっていたと思います」

「たいしたことはない」と言ったのは、これで満足するなという昌子なりの檄なのかもしれない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

© 日本スポーツ企画出版社