打倒・日韓女王 チャレンジャー佐久間朱莉が「幸せ」な優勝争いへ

逆転での初優勝を目指す佐久間朱莉(撮影:福田文平)

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 3日目◇4日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

ツアー初優勝を狙う佐久間朱莉にとって、消化不良の一日になった。前半、後半ともにスタートホールでバーディを奪ったが、いいリズムが持続しない。なかなかチャンスを作れず、ピンチをしのぐ場面が目立った。

前半は小技が冴えた。8番ではグリーン右の深いラフに沈んだ3打目を絶妙のアプローチでピンに寄せ、パーをセーブした。しかし、最終18番のパー5。66ヤードをピッチングで打った3打目が右手前にショートした。残り18ヤードのアプローチはピン手前3メートルと寄せきれず、2パットのボギーフィニッシュ。辛抱強く耐えたラウンドが「台無し」になったと唇をかんだ。

同組で回った韓国の賞金女王イ・イェウォンについては「本当に隙のないゴルフ」。ドライバーからセカンド、グリーン周り全てが完璧だと絶賛するが、中でもパターの正確性はピカイチだという。佐久間は『30パット』が足を引っ張り、2バーディ・1ボギー。対してイェウォンは『27パット』で5バーディを奪い、トータル10アンダー・単独首位に立った。しかし、そんなプレーを目の当たりにしても自分のペースを保ち、冷静さを忘れなかったことは昨年より成長した部分だ。

最終日は韓国の女王イェウォンと、2季連続の日本年間女王・山下美夢有が最終組で激突。佐久間はその1つ前の組で逆転を狙うが、イェウォンとの差は4打と決して小さいものではない。ただ「逆にのびのびできる。1つ前から後ろにプレッシャーをかけられるようなプレーをしたい」と気負うことはない。

「すごいメンバーと優勝争いできているのが幸せ」。日韓の女王を打ち倒し、この大舞台でツアー初優勝をつかみとれるか。(文・小池文子)

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