近未来を感じるデジタルものづくりカフェ オシャレな店内にハイテクマシンが!

店内にも近未来感があります(提供:FabCafe Tokyo)

【今日もひとりで謎喫茶「FabCafe Tokyo」】今回お邪魔したのは「FabCafe Tokyo」さん。渋谷駅から道玄坂を上った先にある、とても現代的な雰囲気のカフェです。

こちらの特徴は何といっても“ものづくり”体験ができるということでしょう。そもそも「FabCafe」の「Fab」は、Fabrication(製造・ものづくり)という言葉に由来する活動のこと。物を作る文化を広める場として、「FabCafe Tokyo」は2012年に開業したといいます。現在は国内で計5店舗が営業中。台北、バルセロナ、メキシコシティー等にも開店し、世界各地に広がりを見せているそうですよ。そして第1号店である渋谷の店舗でも、外国籍のスタッフが数多く勤務中とのこと。そのためインバウンド観光客や、都心に勤務する海外の方もよく来店しているのだとか。さらにコンセント・Wi―Fiも完備されていて、ちょっとしたテレワークにも最適です。あらゆる面で時代の先を行っているカフェ、ということなのでしょう。

店内には、さまざまな素材を切り取って加工できるレーザーカッターや、紫外線で特殊インクを硬化させて木やアクリル等に画像を印刷するUVプリンター等、ハイテクマシンが勢ぞろい。個人ではなかなか手が届かない精密機械を使って、少し“未来”を感じる工作が体験できます。こちらでは定期的に工作教室が開催されていますし、ホームページから体験コースを予約することもできます。友達や家族を誘ってグループで工作することもできるといいますから、お子さんやお孫さんと一緒に先端技術に触れてみるというのも面白そうです。

せっかくですからぼっち記者もレーザーカッターを体験させていただきました。しかし当然ながら私は初心者中の初心者。コースとしては簡単にできるというコインケース作りを選びました。材料には当日ご対応いただいた、Fabディレクターの坂井貴菜さんオススメの「ポークレザー」(ブタの革)を使用。牛革よりもゼラチン質が豊富ということで、レーザーが当たった部分の焦げが出ず、後処理の必要がないそうですよ。喫茶店に通うことで、まさか革にまで詳しくなるとは思いませんでした。どんな企画でも長く続けてみるものですね…。

まずはPC上で、レーザーでコインケースに彫ってもらう文字を入力します。愛社精神が強い自負はありますから、小さく「東京スポーツ」、そして大きく「TS」と彫ってもらうことにしました。データを専用のソフトに転送すると、勢いよくレーザーカッターが稼働! セットした革に彫られていく文字を見ながら、「この機械も渋谷に運ばれて、まさか“東京スポーツ”と彫ることになるとは思わなかっただろうな」としみじみしてしまいました。

文字が彫り終わると、次はコインケースになる部分だけを焼き切る作業に移行します。こちらもものの1分で完了し、必要な量の革だけがきれいにカットされました。

その次はどんな機械が活躍するのかと思いきや、実はここからは人力の作業にスイッチ。坂井さんに教えていただきながら、ハンマーを使って革に金具を取り付けていきます。口をポカンと開けながら先端技術を見学した直後に、気合を入れてトンカントンカン革を叩く私…。人生にこんな瞬間が訪れるとも思いませんでしたし、それが渋谷で起こるとも想像できませんでした。

約30分の濃密なものづくり体験を終えた後は、不思議な達成感と満足感がありました。何よりコインケースを見ながら飲むコーヒーが格別でしたね。コインケースの他にも、キーチャームやウッドスタンプ(木製のハンコ)等、たくさんの体験キットが用意されていますから、“コンプリート”を目指して通ってみるのもいいかもしれませんよ!

今回訪問した「FabCafe Tokyo」は、最新の技術を身近に感じながら、創作意欲を存分に刺激してもらえるさわやかな「謎喫茶」でした。最近自分の意志で手指を動かしていないという読者の皆さん、思い切って久々の“ものづくり”にチャレンジしてみるのはいかがですか?

【FabCafe Tokyo】JR渋谷駅から徒歩10分の場所にある、“デジタルものづくり”体験が特徴的なカフェ。店内の精密機械を使用し、小物やインテリアを制作する教室・プログラムを数多く展開する。営業・Fabサービス(ものづくり体験)の提供は10時~20時となっている。

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