35秒加算のペナルティを受けたマグヌッセン。スポーツマンシップに反する行為への罰は免れるも、今後は規則変更の可能性

 F1マイアミGPのスプリントでハースのケビン・マグヌッセンがスポーツマンシップに反するドライビングをした疑いで調査されたが、スチュワードは、これについてのペナルティは科さないことを決めた。マグヌッセンは、スプリントの19周のなかで、繰り返しコース外を使用してアドバンテージを得て、合計35秒加算のペナルティを受けた。

 マグヌッセンはスプリント序盤からルイス・ハミルトン(メルセデス)を抑え続け、それが前の7番手を走るチームメイト、ニコ・ヒュルケンベルグを助けることにつながった。マグヌッセンはコース外を使いながら、ハミルトンを抑え続けたために、3回にわたり「コースを離れて継続するアドバンテージを得た」として、10秒ペナルティを3回、「正当な理由なく複数回にわたりコースから離れた」として5秒のタイムペナルティを受けた。3回目の10秒ペナルティの際には、スチュワードの裁量でペナルティポイント3も科されている。

2024年F1第6戦F1マイアミGP ケビン・マグヌッセン(ハース)とルイス・ハミルトン(メルセデス)

 さらにスチュワードは、マグヌッセンがスポーツマンシップに反する行為をした疑いで調査を行った。しかしスチュワードは、これについてはペナルティを科さないことを決めたうえで、ペナルティ制度の見直しを提起した。

 スチュワードによると、マグヌッセンは、スプリント直後にメディアインタビューで、「僕は愚かな戦術を使い始めた。こういうことをするのは好きではない。でも結局のところ、僕はチームプレイヤーとしての仕事をした。僕がニコのためにギャップを維持したため、彼はポイントを獲得したのだ」とコメントしたという。

 そのためスチュワードは、マグヌッセンがチームまたはチームメイトに有利になるように意図的にレギュレーションを無視したのかどうか、もしそうであれば、それがFIA国際モータースポーツ競技規則の違反になるかどうかを調査しようとしたという。

2024年F1第6戦F1マイアミGP ケビン・マグヌッセン(ハース)

 ヒアリングのなかで、マグヌッセンは、ハミルトンに対する行動については、自分にはそうする権利があったと考えていると主張した。自分と前を走るマシンの間にギャップを築くことはレギュレーションの範囲内であり、レース中にチームメイトを助けることは珍しいことではなく、自分が間違っている行動をしている、あるいはスポーツマンシップに反する行動をしているとは一切考えなかったという。

 調査の結果、スチュワードは、この日のマグヌッセンのドライビングの仕方、特にコースから離れるという違反を繰り返したことには賛成できないものの、その行動はスポーツマンシップに反する行動であるというレベルには達していないとの判断を下した。

 しかしスチュワードは、問題点を提起している。

「そうはいっても、スチュワードは今後、今日直面したようなシナリオを阻止するために、ふさわしい状況、特に違反が繰り返された場合、各違反に適用されるペナルティを増やす必要があるかどうかを検討する必要がある。これをFIAとスチュワードチームに明確に提起する」

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